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歴訪
「歴訪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歴訪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
のように張り切っている彼にはむしろ気の毒の連続であった。 自然彼は、町の酒場を
歴訪するのがその日その夜の重大な仕事であった。新聞記者としての収入をあてにせずと....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
聞の若手記者|風間八十児君が、此の事件に関係ありと唯今目をつけている五人の人物を
歴訪して巧みに取ってきたメッセージを、その懐中手帳から鳥渡失敬して並べてみる。 ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の一つであろうと言うものもある。過去の皇室の衰え方と言えば、諸国に荒廃した山陵を
歴訪して勤王の志を起こしたという蒲生君平や、京都のさびしい御所を拝して哭いたとい....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
野村での一日は半蔵にとって忘れがたいほどであった。彼は松尾の家で付近の平田門人を
歴訪する手引きを得、日ごろ好む和歌の道をもって男女の未知の友と交遊するいとぐちを....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
題も、共にこの国発展の途上に横たわる難関であったことは争われない。岩倉大使が欧米
歴訪の目的は、朝廷御新政以来の最初の使節として諸外国との修好にあったらしく、条約....
「火星兵団」より 著者:海野十三
るのう。まあ、やってみるがいい。誰のところでもいい、天文学者という学者のところを
歴訪して尋ねてみるがいい。恐らく、それに答えてくれる学者は、一人もいないであろう....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
さんは、活きた字引といわれ、後には得能さんの顧問役のようになって、毎日友人の間を
歴訪して遊んでいました。父の椿岳が油絵を教ったのは、横浜にいましたワグマン(明治四十二年六月『趣味』第四巻第六号)....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
」 「そうか」というと郡上平八はズイと奥の間へ通って行った。 廻船問屋を
歴訪す 茶と莨盆と菓子が出て、それから主人が現われた。 額をピッタリ畳へつけ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
そうな熱であり騒ぎであるが、本当の秋田犬とはこれです、という解答は東京の愛犬家を
歴訪して廻ってもなかなか得られない。 しかし私は根気よくこの質問をくり返したも....
「美術学校時代」より 著者:高村光太郎
時代にはヴァイオリンを神田小川町の高折周一先生についてさかんにやった。忙しい学校
歴訪の間に、自転車の後にヴァイオリンを乗せて通っていた。 こうして僕はアメリカ....
「恐ろしき贈物」より 著者:小酒井不木
官省に売られたことがわかった。そこで彼は一々そのタイプライターを持っている役所を
歴訪して、rとaの字の特徴を検べることにしたがそれは決して容易なことでなかった。....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
稽古台にされてうるさがった。 彼が欧洲留学を命ぜられて大陸を歩いて居るうちにも
歴訪した有名な文人達には一々手相を見せてもらって来たのであった。そして自分の手相....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
は友人中の誰にも精しく話さなかったが、左に右く出発に先だって露国と交渉する名士を
歴訪し、更にその途上わざわざ迂回して後藤や小村やマレウイチと会見した事実から推し....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の一笑を煩わすに至れり。 南半球の旅行中に、便船の都合にて英国を経由し、欧州を
歴訪したれば、その紀行を本書中に加え、もって欧州最近の実況をも読者に紹介すること....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
桜の頃檜木村をあとにして、雲水の旅に出かけた。 まず、美濃の国中で評判の寺々を
歴訪して師家と名の付く老僧たちに会い、疑いのあることは問い、修業の方針を教えられ....