死に別れ[語句情報] » 死に別れ

「死に別れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死に別れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
の哀れよりも醜さがさらけ出された。 なんという不幸な青年だろう。若い時に父親に死に別れてから、万事思いのままだった生活からいきなり不自由な浮世のどん底にほうり....
或る女」より 著者:有島武郎
らなかった。耄碌《もうろく》したと自分ではいいながら、若い時に亭主《ていしゅ》に死に別れて立派に後家《ごけ》を通して後ろ指一本さされなかった昔気質《むかしかたぎ....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
のじょう》という能役者《のうやくしゃ》あがりの浪人者があった。両親《ふたおや》に死に別れてから自堕落《じだらく》に身を持ち崩して、家の芸では世間に立っていられな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
申年生まれの今年六十六で、七之助という孝行な息子をもっていた。彼女は四十代で夫に死に別れて、それから女の手ひとつで五人の子供を育てあげたが、総領の娘は奉公先で情....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すが、実は善昌のむかしの亭主の弟だそうです。善昌は越中富山の生まれで、早く亭主に死に別れて江戸へ出て来て、本所で托鉢の比丘尼をしているうちに、どこからか弁天様を....
蠅男」より 著者:海野十三
に非業の最期をとげた糸子の父、玉屋総一郎。彼女にはもう父もなく、母とはずっと昔に死に別れ、今は全く天涯の孤児とはなってしまった。麗人の後姿に見える深窶れに、だれ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に白い着物をきていた。 「わたくしはここから十余里の南に住んでいた者ですが、夫に死に別れて子供はなし、これから馬嵬駅にいる親類を頼って行こうと思っているのでござ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
て、いろいろのむかし話を語った。老人は江戸以来、神田に久しく住んでいたが、女房に死に別れてからここに引込んだのであるという。養子が横浜で売込商のようなことをやっ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
きと答えた。 「わたくしは武昌の公吏の子で、父は王忠彦と申しました。運悪く両親に死に別れて、他人の手に育てられていましたが、ここへ来る途中で捨てられました」 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
綿店の通い番頭のせがれに生まれて、彼が十三、妹のお粂が五つのときに、父の半兵衛に死に別れた。母のお民は後家を立てて二人の子供を無事に育てあげ、兄の半七には父のあ....
元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
の包をあらためて肩にかけながら、「私は越前福井の者でござりまするが先年二人の親に死に別れてしまったのでこの様な姿になりましたけれ共それがもうよっぽど時はすぎまし....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
て、四、五日厄介になっているうちに、延津弥が申しますには、わたしも中田屋の旦那に死に別れて心細い。どうぞこれからは力になってくれと口説かれまして……。まあ、夫婦....
」より 著者:岡本かの子
。京子には手紙を出す身内も友人も無いはずだ。終身|癒らない狂患者として親兄弟にも死に別れた京子が、三度目に嫁いだフランス人と離縁すると同時に、奥様に引き取られて....
一老人」より 著者:犬田卯
ていた四十先きの女房の姿である。この二人のほか、誰もこの家にはいなかった。亭主に死に別れたこの女房には一人の子供があって、それはどこか他県の町に大工を渡世として....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。あなたは、その娘さんを身内のものとも何とも考えず、ただ世の中に一人淋しく、母に死に別れた憐れな孤児が居るというところへ眼をつけて、労ってやりなさい。孤児とある....