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「死に神〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死に神の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
りと抱きすくめていた。その足の重さが痛いほど感じられ出した。やっぱり自分は倉地を死に神のもとへ追いこくろうとしていたのだなと思った。そこには白衣を着た医者も看護....
佐渡」より 著者:太宰治
。新潟まで行くのならば、佐渡へも立ち寄ろう。立ち寄らなければならぬ。謂《い》わば死に神の手招きに吸い寄せられるように、私は何の理由もなく、佐渡にひかれた。私は、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
巾着切りなどということを通り越して、なにか一種の魔物ではないかとも疑いはじめた。死に神か通り魔か、狐か狸か、なにかの妖怪が自分に付きまつわって来るのではないかと....
火薬船」より 著者:海野十三
薬船ノーマ号のうえに、ただ一人取りのこされてしまったというわけである。 “死に神”船長 ノーマ号を火薬船だと、観察した竹見の眼力は、なかなかえらいものだ....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
るのは、誰にもあずけておけない仕事があるからだ。その仕事をし遂げるまでは、たとい死に神が手をついて迎えに来ても、死に神のほうをたたき殺すくらいな勢いでやっている....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
いてまた忽ち消える流星に胸を冷すのであった。なまぬるく静かに動く風の肌ざわりは、死に神の呼吸かと思われた。 けれども、さすがに近代人である。疫病が「猖獗」とい....
廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
そう、かんたんにくたばって、たまるかい! (立ってフラフラと上手の方へ歩き出す)死に神の歯の間から、皮一枚の違いですり抜けて来たんだ。虫けらになっても、ドブドロ....
」より 著者:正岡子規
どおしで居られるであろう。可哀想に、華族様だけは長いきさせてあげても善いのだが、死に神は賄賂《わいろ》も何も取らないから仕方がない。華族様なんぞは平生苦労を知ら....
ねむい」より 著者:神西清
しいように、どうぞ旦那、ありがたい仕合せで。だが、わしらもわかっておりますが……死に神がむかえに来たものは、もうどうにもならないんで。」 医者は、ものの十五分....
カシタンカ」より 著者:神西清
た。「そうだ、そうだ、死にかけているんだ! おまえたちのところへ、この部屋へ、≪死に神≫がやって来たんだ。ああ、どうすりゃいいんだ?」 青ざめておろおろした主....
私本太平記」より 著者:吉川英治
めろ」 後陣の大将が代って出た。そして新手を誇って言った。 「しょせん、奴らは死に神につかれているのだ。望みのままここを奴らの墓場にしてやる」 鼓を鳴らし、....