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死人
「死人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
じ》、それから、昔のまま、わずかに残っている松や柳――どれを見ても、かすかに漂う
死人《しびと》のにおいと共に、滅びてゆくこの大きな町を、思わせないものはない。途....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
かった。が、無用の小智識と言う事実をも忘れるのは困難だった。ドストエフスキイは「
死人の家」の中にたとえば第一のバケツの水をまず第二のバケツへ移し、更に又第二のバ....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
《こり》が棲《す》む。盗人《ぬすびと》が棲む。とうとうしまいには、引取り手のない
死人を、この門へ持って来て、棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が見え....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ぎ》らせながら、小山のごとく戸口を塞《ふさ》いでいた。若者はその姿を見るや否や、
死人のような色になって、しばらくただ狭い家の中をきょろきょろ見廻すよりほかはなか....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
た時には一層切なさのこみ上げるのを感じた。しかし今まで瞑目《めいもく》していた、
死人にひとしい僕の母は突然目をあいて何か言った。僕等は皆悲しい中にも小声でくすく....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、さっと天井へ舞上ったと思うと、そのまま目の前の鏡が見えなくなって、いつもの通り
死人も同様な眠に沈んでしまいました。
お敏は雷鳴と雨声との中に、眼にも唇にも懸....
「或る女」より 著者:有島武郎
まったのです。わたしが一口でもいおうとすれば、五十川のいうには母の遺言ですって。
死人に口なし。ほんとに木村はあなたがおっしゃったような人間ね。仙台であんな事があ....
「星座」より 著者:有島武郎
知っていよう。
白官舎の窓――西洋窓を格子のついた腰高窓に改造した――の多くは
死人の眼のように暗かったが、東の端《はず》れの三つだけは光っていた。十二時少し前....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ちはふたりとも知っています。それは心配の妖女と、幸福の女神の召使でした。ふたりは
死人の上にのぞきこみました。 心配がいいました。「ごらん、おまえさんのうわおい....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
また夢をみたるに日と月と十一の星われを拝せりと。(創世記三七ノ九) 次の週に、
死人はお墓の下にうまりました。ヨハンネスはぴったり棺につきそって行きました。これ....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
くのだよ。」 「かまいません。」と、人魚のひいさまはいいました。けれど、その顔は
死人のように青ざめていました。 「ところで、おまえさん、お礼もたっぷりもらわなき....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
した。あのうつくしい髪の毛は、きれいな首筋にみだれたまま下がっていました。ほおは
死人のように青ざめでいました。くちびるはかすかにうごいていました。そのくせ指はま....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
透き見をすると言っても、何しろ鍵穴を覗くのですから、蒼白い香炉の火の光を浴びた、
死人のような妙子の顔が、やっと正面に見えるだけです。その外は机も、魔法の書物も、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
をつないでおくということだった。 この教会は人里はなれているので、浮かばれない
死人の霊魂がいつも好んであらわれたようである。それは丘の上に建っており、まわりに....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
とがする。体が顫え罷んだ。 「待て。」 白い姿は動かない。黒い上衣を着た医者が
死人に近づいてその体の上にかぶさるようになって何やらする。 「おしまいだな」とフ....