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「死刑囚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死刑囚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蠅男」より 著者:海野十三
幾日と経たないのちのことだった。塩田検事正は、予(ドクトルのこと)の願いを入れて死刑囚を一旦処刑後引渡すから後はそのまま死なすなり生かすなり思うようにしろと云っ....
地球盗難」より 著者:海野十三
ーターはゴーッと下に下っていったが、エレヴェーターの停ったのは、地階だった。彼は死刑囚のように、外に引張りだされた。 「おれをどうしようというのだい」 「黙って....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
であった、そしてその怒れる支配者の意に従うよりほかに哀訴の道もなかったのである。死刑囚にただ一つの特権が許された、すなわち自害するという光栄である。 利休が自....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
れる被害者の断末魔のやるせない心外さ、限りなき苦痛、燃ゆるような無念を考うれば、死刑囚の苦しみの如き、余りに軽すぎると思います。自分の犯せる罪悪の為に、殺される....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
白無垢である。 「うん、之は変ったものだな」 「奴、発心でもしたかな」 対手が死刑囚だけに白無垢と来ると余り好い気持がしない。二人の看守は薄気味悪そうに顔を見....
続獄中記」より 著者:大杉栄
いる。 かつて僕はユーゴーの『死刑前五分間』を読んだ。またアンドレーエフの『七死刑囚』を読んだ。ことに後者は、よほど後に、千葉の獄中で読んだ。その時にはたしか....
恐竜島」より 著者:海野十三
ぞ」 このざわめき話に、水夫のフランソアとラルサンの二人は、絞首台の前に立った死刑囚のように青くなった。 いがみあい 玉太郎ひとりのときと違い、ともか....
超人間X号」より 著者:海野十三
したという事件があった。 死刑は絞首台《こうしゅだい》を使うことになっていた。死刑囚は、毒殺《どくさつ》で八人を殺したという罪状《ざいじょう》を持つ火辻軍平《....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うちで、私のように苦しんできた者があるかどうかが、またおのずから分かるであろう。死刑囚が絞首台にのぼる前に懺悔をしなければならないように、私もこれから懺悔話をす....
科学時潮」より 著者:海野十三
の死の谷の不可思議な謎を解くために学者の一団が探検に赴くことになる。一行は二人の死刑囚を同行した。これは死の谷への先登をやらせるためで、万一危険が生じて来てもこ....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ったのがまだしも取柄であったろう。 それにしても、この写真には、おどろいたな。死刑囚だね。 死刑囚の閑日月としか見えない写真に、良いような、悪いような、良い....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
程度のバカにもできることで、個性を明確にすることの方が実はむつかしいことなのだ。死刑囚が脱獄したというので、その夜の東京は戒厳令下のような物々しさであったらしい....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
たが、越前が就任してからは、そんな事は一度もなかった。 長吉の名は、他の七人の死刑囚と共に書き出されて、将軍の裁可を受けるために、幕府にさし出された。いつもの....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
配になり、職務も牢屋の外番を命ぜられ、また悲田院の様に犯人追捕などの役義、或いは死刑囚の処置など、次第に人の嫌がる仕事の方へ向けられる事に変りました。しかもなお....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
の力で出来ますことでしたら、何なりと致しましょう」と、快く引受けた。 「私はある死刑囚から世にも気の毒な物語を聞いたのです。独房にいるはずのその囚人から、同じく....