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「死別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
に、覚悟をきめていた事だった。前の犬には生別《いきわか》れをしたが、今度の犬には死別《しにわか》れをした。所詮《しょせん》犬は飼えないのが、持って生まれた因縁《....
」より 著者:芥川竜之介
暮せますようにと申しましてな。何しろ、その時分は、あの女もたった一人のおふくろに死別《しにわか》れた後で、それこそ日々《にちにち》の暮しにも差支えるような身の上....
幸運の黒子」より 著者:海野十三
た。これは友人にも多少の悪巧みはあったにしても、主たる動機は半平という男が細君に死別してからまる二年この方、空閨《くうけい》を貞淑に守りつづけているのを見ちゃい....
火葬国風景」より 著者:海野十三
人から出発して、中学時代、大学時代、恋愛時代、それから結婚時代、さらに進んで妻と死別した後の遊蕩時代、それから今の探偵小説家時代までの、ことごとくの時代の中に、....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
、何にも知らない。おなじ写真を並んで取っても、大勢の中だと、いつとなく、生別れ、死別れ、年が経つと、それっきりになる事もあるからね。」 辻町は向直っていったの....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ことは今も私の記憶に残って居ります。―― 『一たい恋しい人と別れるのに、生別れと死別れとではどちらがつらいものでしょうか……。事によると生別れの方がつらくはない....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
た。その時、それを他郷の男の眼に見られたら、その女は一生不運である。良人ある身は死別の悲しみを見る。良人なき者は縁談が纏まらず、やもめ暮しをするというのであった....
」より 著者:岡本かの子
る精神病院へ終身患者として入れられていた京子を――京子は士族で中産階級の肉親とも死別し、財産もなくして居た――加奈子は自分の家へ引き取って来た。 京子はもう、....
」より 著者:犬田卯
くそれはおせきの断行した、換言すれば実の娘の鬼畜の行為であったろうが、はやく夫に死別して、持って生れたその百姓女には珍らしい美貌――美貌もきいてあきれるが、とに....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、臆面もなく露わな脇の下、白いはぎなどを見て、村人はごくりと唾を呑んだ。 夫に死別するや、半歳ならずして彼女のそうした生活がはじまったのであった。十四になる息....
画道と女性」より 著者:上村松園
で昨今は寝込んでいる。けれど、私の母は非常に丈夫な上に意志の強い人です。父と早く死別した後、姉と私とたった二人姉妹ではあったが、兎に角父の商売だった葉茶屋を続け....
税所敦子孝養図」より 著者:上村松園
藩士、税所篤之氏に嫁いだのである。 しかし薄幸な女史は八年のちの二十八歳に夫に死別されたのである。 女史は夫篤之氏の没後、薩摩に下って姑に仕え、その孝養ぶり....
あの顔」より 著者:大倉燁子
たのためには幸福なんだろうと思って、祝福していた位ですもの、そのかたとは?」 「死別しました。先妻の息子が相続人だったので、私は離婚して川島と再婚しました」 「....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
らないような原因は何もないはずです。大富豪御木井男爵家の嫡男と生れ、幼い時両親に死別したというのが不幸ではありますが、頭もいいし、風采も綺麗だし何一つ不自由なく....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
や堪えられなくなってしまいました。 私の亡き父と無二の親友の養父が、突然両親に死別し孤児になった私を引取って、今日まで育てて下すった御恩、それを思うと、反抗し....