死病[語句情報] » 死病

「死病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
子は、引き続いて父を失い、母を失い、葉子の病的な呪詛《じゅそ》の犠牲となり、突然死病に取りつかれて、夢にもうつつにも思いもかけなかった死と向かい合って、ひたすら....
星座」より 著者:有島武郎
そんな浅薄なものではないんだ。たとえ頭は少しは優れていようとも、俺は貧乏でしかも死病に取りつかれているんだから、喜んで世話を焼いてもらう資格は十分にあるんだ。そ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ら出さないまでも類焼の災難にあうとか、持ち船が沈んでしまうとか、働き盛りの兄上が死病に取りつかれるとか、鰊の群来がすっかりはずれるとか、ワク船が流されるとか、い....
食魔」より 著者:岡本かの子
へ深く帰依していた信徒があった。不思議な不幸続きで、店は潰れ娘一人を残して自分も死病にかかった。鼈四郎の父はそれまで不得手ながら金銭上の事に関ってまでいろいろ面....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
も云うべく、また、皮肉家大鳥文学博士がこの館を指し、中世堡楼の屋根までも剥いで黒死病死者を詰め込みしと伝えらるる、プロヴィンシア繞壁模倣を種に、黒死館と嘲りしこ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
の中に何かが有る言葉だ。実に味が有る。又左衛門大出来、大出来。太閤《たいこう》が死病の時、此人の手を押頂いて、秀頼の上を頼み聞えたが、実に太閤に頂かせるだけの手....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の頭も信心からと云う通り、人間は気の持ちようで多少の病気はなおるようだな。しかし死病の人が生き返ったり、バカが利巧になることはあるまい。あの志呂足は食わせ者さ。....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
ずっと蛇笏を忘れていた。 その内に僕も作句をはじめた。すると或時歳時記の中に「死病得て爪美しき火桶かな」と云う蛇笏の句を発見した。この句は蛇笏に対する評価を一....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
末さんと、良人の琢磨氏とが愛し合っているらしい。で、嫉妬をしたのですね。そのうち死病にとっつかれ――業病だったということですが――死んでしまったのでございますよ....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
、衰えて死んだとしてもいい。……兎に角ほんとに染吉という奴は、わけのわからない衰死病で、若死したというからなあ。古道具屋の爺もいっていたよ……どうだアラカタこれ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
れていた。どうも父はよく出来た人だった。私などは父に比べると放逸人だ。晩年祖母が死病につかれた頃など祖母は父を一番好いていた。 ただ私の家から二丁離れて武村と....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
車馬のように突き進んだ。そして美しかった青年の私が、いつの間にかこんな老人となり死病にさえもとりつかれて余命少くなってしまった。なるほど私は人間として得べきだけ....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
があれば、インチキ証明書を書かぬとは言えないだろうし、そう言えば、老人がこのたび死病にとりつかれたのに、主治医としてN博士とその助手が二人ほど診に来たばかりで、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
てやりますと不思議に病人が治るです。ことにチベットで最大難病としてわずらえば必ず死病とされて居る病気がある。其病は水腫病で脚気のようではあるけれども、ちょっと様....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
も父親の手から自分の左手首を引き離そうともがき始めた。多可子は政枝が自分の病気を死病だと思い決めている以上、それに逆らって説き伏せることは無理だと覚った。そして....