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殉教
「殉教〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殉教の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
いほはしょくだん》等に散見する、じゅりあの・吉助の一生である。そうしてまた日本の
殉教者中、最も私《わたくし》の愛している、神聖な愚人の一生である。
(大正八年八月)....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
わったものである。わたしの信ずるところによれば、或は柱頭の苦行を喜び、或は火裏の
殉教を愛した基督教《キリストきょう》の聖人たちは大抵マソヒズムに罹《かか》ってい....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
わ》の者」の残酷を証明するに過ぎなかった。情に生きて情に死ぬ男と女とは、切支丹の
殉教者と同じ勇気と満足とをもって、この迫害の前に笑って立った。 遊女屋の座敷で....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
「哲学者たり、理学者たり、詩人、剣客、音楽家、また、天界の旅行者たり。恋愛の
殉教者――カムポス・モンテシノスここに眠る」 そして、声が杜絶えた。....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
すると、その死体はどこにあると云うのです?」
「ああ、それを聴いたら、貴方はさぞ
殉教的な気持になられるでしょうが」と法水は、いったん芝居がかった嘆息をして、「実....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
色の光に包まれていた。その右側に、やせこけた色の黒い人物がつき従っていた。それは
殉教者《じゅんきょうしゃ》ロザレにまぎれもなかった。聖者アクチニオ四十五世の左手....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
っかる。いまいましい、腕づくでもぎ取ってくれようとすると「オオ神様泥棒が」って、
殉教者の様な真似をしやあがる。擦った揉んだの最中に巡的だ、四角四面な面あしやがっ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
がある。顔面にその形体化したものが現われているよ。どうだろう、この表情は聖画等の
殉教者特有のものではないだろうかね。先年外遊中に、シスチナ礼拝堂の絵葉書を寄越し....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
様子は少しも見えない。かれは苛酷な運命の取り扱いを受けて、罪人というよりはむしろ
殉教者と認むべき人のような様子が多く見られるのであった。 今夜の風は南にむかっ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ていた。検事は、鉄梯子を先に上って行く、法水の背後から声をかけた。 「まったく、
殉教的な精神でもなけりゃ、こんな事件にはめったに動けんと思うよ。なにしろ、ほんの....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
と言ったか長等寺と言ったか、一つの寺に『源兵衛の髑髏』なるものがあって、説明者が
殉教の因縁を語った。話そのものが既に戯曲的であったので劇にしたらと思い付いて、其....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
らないんだ。 瀬古 おいおい花田、おまえ気でも違ったのか。僕たちは芸術家だよ。
殉教者じゃないよ。 花田 芸術のために殉死するのさ。そのくらいの意気があっても....
「芸術は生動す」より 著者:小川未明
筈です。芸術家の貴い信念はこゝに萌芽します。彼等のすべてが人道主義者として、また
殉教的な敬虔な心の持主として、人生のために戦うに至るのもこれあるがためです。 ....
「民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
とさえいっしょであるならば、はいることを厭わない。それは、ちょうど真理に奉仕する
殉教者のように、また深い信仰を有する人が神について惑わないように、刹那まで安心し....
「文化線の低下」より 著者:小川未明
が生起する。かくして、その相剋の間に真理は見出されるのを常とします。しかし、真の
殉教者は、そのいずれに於ても、狂信的なるものである。即ち新社会を建設する上に於て....