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「残される〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

残されるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ぶきみ》に思うているのじゃ。して見れば首でも刎《は》ねられる代りに、この島に一人残されるのは、まだ仕合せの内かも知れぬ。――そんな事を思うている間《あいだ》に、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
終らねばならなかった。 聡明にして上品な人は屡※の瞬間をただ楽しんで生きる外に残される何事があろうぞとその人達はいう。その心持に対して私は白眼を向けることが出....
「星座」より 著者:有島武郎
に帰ってみてどれほど驚きもし悲みもするだろうと思うと、母が不憫《ふびん》でもあり残される自分がこの上もなくみじめだった。その不幸な気持には、おぬいが不断感じてい....
「断層顔」より 著者:海野十三
記載だね」 桝形は帆村の言葉を聞き流している。 「抽籤で、碇曳治が流星号の中に残されることとなった。そして他の一名は、法規に照らして交川博士の手により処理され....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
次元世界と四次元世界との間の交通がどうした方法によってできるのか、ついに謎のまま残されることになった。蜂矢十六は、それは多分身体にある特殊の振動を加えることでは....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
う言って出て行った。僕は、それを信ずることもできなかったが、しかし僕だけこうして残されるのはどうした訳だろうかと、こんどは少々不安になった。 そしてはたして僕....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
久な天地は悠久なままで、しかも人を置き去りにして過ぎ去って行く。人はどんどん取り残される。淋しいことだ。その時私は珪次も良人も要らない。ただ初恋のあの情熱だけを....
「富士」より 著者:岡本かの子
の翁に、噎返《むせかえ》るような怒りと愛惜の念、また、不如意の口惜しさ、老いて取残されるものの寂しさがこもごも胸に突き上げて来た。 翁はじっとしていられなくな....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
房や娘子供は矢はり小梅の方に残っていることになりました。それがために小僧もひとり残されることになったので、久松がその役にあたって、あくる年の正月を小梅で迎えまし....
「父親と自転車」より 著者:小川未明
、走りっこをしよう。」と、清ちゃんが、答えました。 そばにいた吉坊は、独り取り残されるのが悲しくなって、 「僕は、足が早いんだよ。だから、僕もいっしょに走りっ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
り上げてきて、わずかに耳の付け根や、生え際のあたりにだけ、病んだような微妙な線が残されるばかりになった。そうして、隆起したくびれ肉からは、波打つような感覚が起っ....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
尻に敷かれていないのだろうか。ともかくあの人は、会社の年に二回の恒例昇給にも取り残されることがしばしばなのだ。あの人の社には帝大出の人はほかに沢山いるわけではな....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
とや、そして母親も寝てしまってあとはただ自分一人が荒涼とした夜の時間のなかへ取り残されるということや、そしてもしその時間の真中でこのえたいの知れない不安の内容が....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
呼ばい声、鈴の音が不気味に聞えている。 中央に呆然自失したごとく、文麻呂はひとり残される。 文麻呂 （うわごとのごとき独白）……俺が「恋」をしてる？……「恋」の....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
、軍人同士の遠慮のない友情を結んでしまうのである。 中尉は、いつもきまって取り残されるのであった。彼は仕方なく、一人でカフェーへも行き、オペラへも行かねばなら....