残り惜しい[語句情報] » 残り惜しい

「残り惜しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

残り惜しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
、この島の火山へ登りました。それから一月ほど御側《おそば》にいた後《のち》、御名残り惜しい思いをしながら、もう一度都へ帰って来ました。「見せばやなわれを思わむ友....
外科室」より 著者:泉鏡花
けたろう」 「ばかをいわっし、もったいない。見しやそれとも分かぬ間だったよ。ああ残り惜しい」 「あのまた、歩行《あるき》ぶりといったらなかったよ。ただもう、すう....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
かも別れてゆく女をさすがに抑留《ひきと》める気にもなれなかったので、彼はなんだか残り惜しいような心持でそのうしろ影を見送っていたが、やがて思い切って信西の屋敷の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もないので、勘太もその上に詮議の仕様もなかった。さりとてこのまま放してしまうのも残り惜しいように思われるので、どうしたものかと思案していると、あとから来た兼松が....
去年」より 著者:伊藤左千夫
欲にはいま三年ばかり生きられれば、都合がえいと思ってたが、あに今死んだっておれは残り惜しいことはない……」 こう自分ではいったけれど、知覚精神を失った最後の数....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
のこのロマン性によればこそ、随分|億劫な世界一周も一緒にやり通し、だんだん人生に残り惜しいものも無くなったような経験も見聞も重ねて、今はどっちへ行ってもよいよう....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
なくなるまで釣っていましたが、やがて気がつくと、あたりはもう暮れ切っている。まだ残り惜しいがもうこゝらで切上げようかと、水に入れてあるびくを引きあげると、ずっし....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。私もその翻刻書類を随分蒐集していたが、それもみな震災の犠牲になってしまったのは残り惜しい。 わたしは比較的に好運の人間で、これまでに余りひどい目に逢ったこと....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
行くのだ。別れ道で「それでは失礼」というとウ氏が「また会いましょう」と答えた。名残り惜しい雪を眺めながら汽車が出た。戸田は宇都宮で降りた。後の三人は上野に七時に....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
に平素から評判のよかった人だけに、突然ここを立ち去ると聞いて、誰もかれも今さら名残り惜しいようにも思った。 支店長は相当の餞別を持って、向田大尉の自宅をたずね....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
料理の魚を食いはじめた。 食卓はずいぶん長い間かかって終わった。わたしは全く名残り惜しいような心持ちでキッティに別れを告げた。――たぶん、また戸の外には幽霊が....
火薬庫」より 著者:岡本綺堂
とに平素から評判のよかった人だけに、突然ここを立去ると聞いて、誰もかれも今さら名残り惜しいようにも思った。 支店長は相当の餞別を持って、向田大尉の自宅をたずね....
停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
いのでございます。久し振りで不二雄さんのそばへ来て、たった一日で帰るのはどうも名残り惜しいような、物足らないような心持が、おそらく継子さんの胸の奥に忍んでいるの....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
者が発つというので、これまで幾日か白粉の香に酔わされていたこの町の娘子供などは名残り惜しいような顔をして見送っていました。中には悲しそうに涙ぐんでいるのもありま....
読書雑感」より 著者:岡本綺堂
たしもその飜刻書類を随分蒐集していたが、それもみな震災の犠牲になってしまったのは残り惜しい。 わたしは比較的に好運の人間で、これまでにあまりひどい目に逢ったこ....