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「残り物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

残り物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
》だって沢山ですよ。婆やと私と二人ぎりですもの。」 お蓮は意地のきたない犬へ、残り物を当てがうのに忙《いそが》しかった。 「そうなったら、おれも一しょにいるさ....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
いろ》に等しい付届だと、一口におっしゃるが、町奉行所へだって献残(将軍へ献上した残り物と称して、大名が江戸にいる間、奉行の世話になった謝礼として、物品金子を持参....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
変らないようですね」と、老人は云った。「ろくろ首の観世物なんぞは、江戸時代からの残り物ですが、今に廃らないのも不思議です。いつかもお話し申したことがありますが、....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
らし方だろう。だがいやな人間から犬に物を投げてやるようにして哀れみの目で見られて残り物をもらって生きるのはいちばんつらいからな。そして世の中の人間はみんなそのよ....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
家が建ち初めた。西片町の下の植物園の近所には田があった。東京の到る処に昔の江戸の残り物があった。 二十五年は顧みると早いようだが、中々長い歳月である。大抵な大....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
一流の旅館に入れていたのである。クリストフは乱雑な小さな客間に案内された。朝食の残り物が、髪の留め針や裂けたきたない楽譜の紙とともに、蓋《ふた》を開いたピアノの....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かってるというのは、何も許してやるという意味ではないが、獰猛《どうもう》な遺伝の残り物として是認できる。野蛮ではあるが、理屈にかなってる。自分を苦しめる者を殺す....
鳶と柿と鶏」より 著者:豊島与志雄
ません。人間がみな同じになるらしいです。例えば日本人の乞食を見て、日本人はよその残り物を平気で食べるのかと、あらゆる日本人に云ったとします。腹が立つよりも、そん....
町内の二天才」より 著者:坂口安吾
に消えちまえ。今日限り隣のツキアイも断つから、そう思え」 「そいつは、よくねえ。残り物の腐った魚の始末のつけ場がなくならア」 「なア。よく、きけ。キサマの口の悪....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いから、ボンヤリ坐って、オヒラキになるのを待っていただけですよ。オヒラキのあとで残り物の酒肴をいただいて酩酊しましてからはよく覚えがありませんが、金三さんもお紺....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。二人とも堅い肩でめっぽう疲れたと弁内さんはコボシていましたよ。ちょうどお帳場に残り物のイナリズシがあったから、弁内さんはそれをチョウダイして、帰りました」 ....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
る人達の義務は、斯くの如き芸術から民衆を救い出す事にある。 民衆は紳士閥芸術の残り物を集めるよりも、もっと遥かに善いしなけれければならない事を持っている。現在....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
が咲いて散って行っても、まだ癒えなかった。青年は殆ど連夜かの女を訪れた。かの女の残り物で酒を飲んでは大方ばあやと遊んで帰って行った。かの女は青年が表面は、ばあや....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
ったのですからなあ……』 プラスビイユもよほど閉口しているらしかった。 『で、残り物と云えば出口の鋪石の上に賊どもが取り落して破したものらしいこんな象牙の破片....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
させられた。 私の仕事は出前持ちに皿洗いぐらいのものだったが、食事はみんな客の残り物を食わされた。ここを教えてくれた廃品回収業者の話では月給は三円のはずだった....