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殞
「殞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殞の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
且《かつ》はまた先刻《せんこく》も申した通り、一かどの御用も勤まる侍にむざと命を
殞《おと》させたのは、何よりも上《かみ》へ対し奉り、申し訣《わけ》のないことと思....
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
人画家が来る、山の紫は茄子《なすび》の紫でもない、山の青は天空の青とも違う、秋に
殞《いん》ずる病葉《わくらば》の黄にもあらず、多くの山の色は大気で染められる、こ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
時の政府に強大の権力を占め内閣の機軸たるところの一政事家は賊の兇手に罹りて生命を
殞したり。岩倉右府の力量をもってすといえども抑制すべからざりし二、三藩閥の関係は....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
、氏を獄に投じたので、この絶世の法律家は、遂に貴重なる一命を囹圄《れいご》の中に
殞《おと》してしまった。 ローマ法族の法神パピニアーヌスは誣妄《ふぼう》の詔を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るような脆《もろ》い鍛錬のお方でもない、いわんや刀刃《とうじん》の難によって命を
殞《おと》すことのあり得べきお方ではない、もし先生が死なれたとすれば、病難、剣難....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
なわち地に伏し血を嘔《は》いて死す。その気に染まる人また立所《たちどころ》に命を
殞《おと》さざるなし、道南鼠死行一篇を賦し、奇険怪偉、集中の冠たり、数日ならざる....
「ピタゴラスと豆」より 著者:寺田寅彦
間の悲劇や喜劇の原型であり雛形であるとも考えられなくはない。色々の豆のために命を
殞さないまでも色々な損害を甘受する人がなかなか多いように思われるのである。それを....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
、その昔は数多の旅客も――これからさしかかって越えようとする峠路で、しばしば命を
殞したのでありますから、いずれその霊を祭ったのであろう、と大空の雲、重る山、続く....