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殺す
「殺す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殺すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
も火の手を揚げなかったと申せましょう。私はここに立ち至ってやはり妻を殺したのは、
殺すために殺したのではなかったろうかと云う、疑惑を認めずには居られませんでした。....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ては歩いて居ようが、そのほかには何一つ罪らしい罪も犯して居らぬ。さればあの沙門を
殺すのは、云わば無辜《むこ》を
殺すとでも申そう。――」
「いや、理窟はどうでもつ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
獺が一匹、ある河童の夫婦を訪問しました。そのまた雌《めす》の河童というのは亭主を
殺すつもりでいたのです。なにしろ亭主は道楽者でしたからね。おまけに生命保険のつい....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
自身にとって、どのくらい呪《のろ》わしいものに見えるだろう。それも己の憎む相手を
殺すのだったら、己は何もこんなに心苦しい思いをしなくてもすんだのだが、己は今夜、....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
かも知れない。こう考えた金将軍は三十年前の清正《きよまさ》のように、桂月香親子を
殺すよりほかに仕かたはないと覚悟した。
英雄は古来センティメンタリズムを脚下《....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
たんだ。――これが又右の手には小銃を持ち、左の手にはピストルを持って一時に二人射
殺すと言う、湖南《こなん》でも評判の悪党だったんだがね。………」
譚は忽《たち....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
ら寒い。
「眼がさめましたね。」呂翁は、髭《ひげ》を噛みながら、笑《えみ》を噛み
殺すような顔をして云った。
「ええ」
「夢をみましたろう。」
「見ました。」
「....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
云うことは、誰の頭にもはいって来ない。そこにあるのは、ただ敵である。あるいは敵を
殺す事である。だから彼等は馬の頭を立て直すと、いずれも犬のように歯をむき出しなが....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
こで代官は一月ばかり、土の牢に彼等を入れて置いた後《のち》、とうとう三人とも焼き
殺す事にした。(実を云えばこの代官も、世間一般の人々のように、一国の安危に関《か....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
です。まことの神、まことの天主《てんしゅ》はただ一人しか居られません。お子さんを
殺すのも助けるのもデウスの御思召《おんおぼしめ》し一つです。偶像の知ることではあ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ならぬ。況《いわん》や殺戮《さつりく》を喜ぶなどは、――尤《もっと》も相手を絞め
殺すことは議論に勝つよりも手軽である。
我我は互に憐まなければならぬ。ショオペ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
見ず知らずのお前さんなんぞに、奥へはいられてたまるものか」 「退け。退かないと射
殺すぞ」 遠藤はピストルを挙げました。いや、挙げようとしたのです。が、その拍子....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
、殆丸太のような桜のステッキをついていた所を見ると、いくら神経衰弱でも、犬位は撲
殺する余勇があったのに違いない。が、最近君に会った時、君は神経衰弱も癒ったとか云....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
の詩情を満足せしむる限り、乃木大将を崇拝する事を辞せざると同時に、大石内蔵助を撲
殺するも顧る所にあらず。佐藤の一身、詩仏と詩魔とを併せ蔵すと云うも可なり。 四....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
れは一つの快楽なのだ。快楽の中でおそらく最大のものであるに違いない。という訳は、
殺すということが、創り出すということに一番好く似ているからではなかろうか。つくる....