殺生石[語句情報] » 殺生石

「殺生石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

殺生石の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
はひと揺れ烈しくゆれて、柘榴《ざくろ》を截《た》ち割ったように真っ二つに裂けた。殺生石《せっしょうせき》 一 その夜であった。 関白の屋形には大勢の女房たち....
心中」より 著者:森鴎外
の身の上を、さっぱりと友達に打ち明けた。佐野さんは親が坊さんにすると云って、例の殺生石《せっしょうせき》の伝説で名高い、源翁《げんおう》禅師を開基としている安穏....
白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
。 詮吉は軽そうなセルに着換え、ステッキを下げて出て来た。 「この位風があれば殺生石も大丈夫だろう。一つ見て来よう」 「お総さん、見ずじまいになっちゃうわ」 ....
伸子」より 著者:宮本百合子
よ、少し早めにお出かけんなれば」 「――どういう風に行くのかね、ここからだと――殺生石《せっしょうせき》の横から上るのかしら」 「そうです。あそこにちょっと急な....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
十三)猩々(十四)小鍛冶(十五)岩船半能(十六)烏帽子折子方(十七)田村(十八)殺生石直面(十九)羽衣ワキ(二十)是界(二十一)蘆苅(二十二)箙(二十三)湯谷ツ....
秋風記」より 著者:太宰治
知れない。僕はこのごろ、ほんとうに、そう思うよ。僕は、あの、サタンではないのか。殺生石。毒きのこ。まさか、吉田御殿とは言わない。だって、僕は、男だもの。」 「ど....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
やがて、件の白蔵主。 那須野ヶ原の古樹の杭に腰を掛け、三国伝来の妖狐を放って、殺生石の毒を浴せ、当番のワキ猟師、大沼善八を折伏して、さて、ここでこそと、横須賀....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
居直って、自信がありそうに云った。 「うんや、鳥は悧巧だで。」 「悧巧な鳥でも、殺生石には斃るじゃないか。」 「うんや、大丈夫でがすべよ。」 「が、見る見るあの....
鳥をとるやなぎ」より 著者:宮沢賢治
木の上を飛んでいて、きっとよろよろしてしまうと僕はおもうよ。」 「きまってらあ、殺生石《せっしょうせき》だってそうだそうだよ。」 「きっと鳥はくちばしを引かれる....
殺生石」より 著者:楠山正雄
ほろびません。石のそばに寄るものは、人でも獣でも毒にあたって倒れました。みんなは殺生石といって、おそれてそばへ寄るものはありませんでした。それが今夜あなたに限っ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
な出来事だと思ってくれたまえ。 その頃は村の奥に大きい平原があって、それはかの殺生石で有名な那須野ヶ原につづいているということであった。今日では大抵開墾されて....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
送られい。那須は草ふかき村里なれど、歌によむ白河の関にも遠からず、那須野が原には殺生石の旧蹟もござる。二荒の宮には春の桜、塩原の温泉には秋のもみじ、四季とりどり....