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毀し
「毀し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毀しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「追憶」より 著者:芥川竜之介
そんな光景を覚えているのである。 これは江戸の昔から祖父や父の住んでいた古家を
毀した時のことである。僕は数え年の四つの秋、新しい家に住むようになった。したがっ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
んなみじめな醜い結果には終らなかったろうと、今でもまだ思っている。が、その覚悟を
毀したのは何よりもまず経済問題だった。そして、どんなことがどこへどう祟って行くか....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
平も青くなって慄えあがりました。こんなものを残しておくのはよくないから、いっそ打
毀して焚いてしまおうと父が言いますと、もともと十五銭で買ったものですから、孝平に....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
いい加減にして、すぐ僕等が先登になってそとへ駈けだしましてね。電車を二、三台ぶち
毀して、とうとうその交通をとめてしまいましたよ。」 この男もやはり無政府主義者....
「獄中記」より 著者:大杉栄
てわいわい騒いでいる。一人の労働者風の男が酔っぱらって過ってある酒場の窓ガラスを
毀したというので、土地の地廻りどもと巡査がその男を捕えて弁償しろの拘引するのと責....
「転機」より 著者:伊藤野枝
まず毀す前に、みんなを収容するバラックくらいは建てておいて、それからまあ毀すなら
毀して、それも他の処に建ててやるくらいの親切はなければならないんです。それをなん....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
。邪慳じゃあないかね。可よ、旦那が何といっても、叱られても大事ないよ。私ゃすぐ引
毀して、結直して見せようわね。」 お貞は顔の色|尋常ならざりき。少年は少し弱り....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の壁を取りのけ、あすこの床をはずしたいのです。そうでなければ、あの部屋をみな取り
毀してしまうのです。あの部屋は建物の総体から離れて、小さい裏庭の上に作られている....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
大風雨に出逢ったので、どうしても大手入れをしなければならない。それならばいっそ取
毀して建て換えろというので、その翌年の春、職人を入れてすっかり取毀させて、新しく....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
て大地へ投げ捨ててありしが、在中の百余円はそのままなり。金時計は石に叩きつけて打
毀してあり。それらの事実から考えると、どうしても普通の物取りではなく、なにかの意....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
の柔くなってしまった手には負えることでなかった。壊れた外廻りの垣根から、廃屋を取
毀したあとの整理、井戸浚い、母家の修繕……と数え立てると眼前に待っている仕事だけ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
方から武蔵守師直の機嫌がよくない。さもないことに癇癪を起こして、夕餐の三宝を打ち
毀し、土器を投げ砕いたので、侍女どもは恐れをなして早々に引き退がってしまった。 ....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
主人の驚愕は私よりも又一倍で、そう聞く上は最早一刻も猶予は出来ぬ、早速その窓を取
毀し、時宜に依れば其の室全体を取壊して了わねばならぬと、直に家令を呼んで其の趣を....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
民衆はまた、すぐ、この恐怖政治が独裁を準備することを知り、そしてその断頭台をぶち
毀しに行く。民衆は恐怖政治によって統治はしない。恐怖政治は鎖を鋳るために発明され....
「古事記」より 著者:太安万侶
は酒に醉つて吐《は》き散《ち》らすとてこんなになつたのでしよう。それから田の畔を
毀し溝を埋めたのは地面を惜しまれてこのようになされたのです」と善いようにと仰せら....