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毀れる
「毀れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毀れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
か、「さあ、お客様に汽車のお話でも聞くがいいよ」などと、それはそれはまるで触ると
毀れるものの様にオドオドした可愛がり様を、一再ならず私は見せつけられたものです。....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
はない筈、決して薄作ではあるまいと仰しゃる方もございましょうが、ちょいと触っても
毀れるような薄い皿で、欠けたり割れたりして、継いだのが有るということです。此の皿....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
た物ア才槌で一つや二つ擲ったって毀れねえ事ア知ってるじゃアねえか」 長「それが
毀れる様に出来てるからいけねえのだ」 恒「何うしたんだ、今夜は何うかしているぜ....
「模倣と独立」より 著者:夏目漱石
唯|打《う》ち毀《こわ》して宜《よ》いというものではない。必要がなくなれば自然に
毀れる。唯、利益、存在の意義の軽重《けいちょう》によって、それが予期したより十年....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
ら十三間の平骨の扇で続け打にしても又市は手を放しませんから、月代際の所を扇の要の
毀れる程強く突くと、額は破れて流れる血潮。又市は夢中で居ましたが、額からぽたり/....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
旨い物でも食わせるから彼方の座敷に居ねえ」 由「よし/\心得ました、葡萄酒の瓶が
毀れるかと心配した、斯ういう処へ来ては何もないからねえ……」 甲女「へえ叶屋でご....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
は思わずその皿を床の上に取り落としてしまうほどに、全身に一種の衝動を感じた。皿が
毀れると、液体も流れ出して、磁石は部屋の隅にころがった。――と思うと、その瞬間に....
「悪夢」より 著者:豊島与志雄
用なものでも、少しも毀してはいけないことになりますね。」 「まあそうです。自然と
毀れるものは仕方ないが、進んで毀すということは、何についても罪悪です。毀すよりは....
「穴」より 著者:黒島伝治
した。 老人は、机のはしに、丸い爪を持った指の太い手をついて、急に座ると腰掛が
毀れるかのように、腕に力を入れて、恐る/\静かに坐った。 朝鮮語の話は、傍でき....
「烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
ているのであった。 地震があれば壊れるような家を建てて住まっていれば地震の時に
毀れるのは当り前である。しかもその家が、火事を起し蔓延させるに最適当な燃料で出来....
「省察」より 著者:デカルトルネ
私は、そのために苦痛を感じないはずであり、かえってあたかも水夫が船のなかで何かが
毀れるならば視覚によってこれを知覚するごとく、私はこの負傷を純粋な悟性によって知....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
》の上から切ってしまえ。」 と、藤吉の言葉の終らない内に大きな音を立てて、箱が
毀れると、痩せた彦兵衛の身体が火箸のように二人の足許へ転がり落ちた。思わず手を離....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
かった。気の早い羽虫の影が先刻から障子を離れずに、日向へ出した金魚鉢からは、泡の
毀れる音がかすかに聞こえてきそうに思われた。土間へ並べた青い物の気で店一体に室《....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
以て、永遠の境まで拡がっても、
「時」の渦巻に巻き込まれて、狙った幸福が一つ一つ
毀れると、
さすがの空想も萎靡して、狭い空間にせぐくまる。
その時直ぐに心の底に....