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母
「母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
は勿論知らないが、小えんは若槻に三年この方、随分尽して貰っている。若槻は小えんの
母親ばかりか、妹の面倒も見てやっていた。そのまた小えん自身にも、読み書きといわず....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の銀の握りで、硝子戸棚の中の絵をさし示した。私《わたくし》は頷《うなず》いた。雲
母《きらら》のような波を刻んでいる東京湾、いろいろな旗を翻《ひるがえ》した蒸汽船....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
って見たんです。」――これはいいが、その後《あと》が振っている。「一度なんか、阿
母《おっか》さんにねだってやっとやって貰うと、満員で横の隅の所にしか、はいれない....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
やはり浦上の山里村《やまざとむら》に、おぎんと云う童女が住んでいた。おぎんの父
母《ちちはは》は大阪《おおさか》から、はるばる長崎へ流浪《るろう》して来た。が、....
「女」より 著者:芥川竜之介
あの白い広間のまん中に、食さえ断《た》って横《よこた》わっている、今は老い果てた
母蜘蛛であった。蜘蛛は糸の敷物の下に、いつの間にか蠢《うごめ》き出した、新らしい....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
こかへ行くの?」
「ちょいと銀行へ行って来る。――ああ、下に浅川《あさかわ》の叔
母《おば》さんが来ているぜ。」
賢造の姿が隠れると、洋一には外の雨の音が、急に....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
父は優しい感動を感じた。やはりその一瞬間、能面《のうめん》に近い女の顔に争われぬ
母を見たからである。もう前に立っているのは物堅《ものがた》い武家の女房ではない。....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
た時にはMはもう湯帷子《ゆかた》を引っかけ、僕の隣に腰を下ろしていた。
「何、水
母《くらげ》にやられたんだ。」
海にはこの数日来、俄《にわか》に水
母が殖《ふ》....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
いた人たちのことを思い出した。その人たちの面影だけが私の心の中に生きて来た。私は
母から来た手紙の中に、むかし家で使っていた雇人や私たちの住んでいた家の形や、子供....
「初雪」より 著者:秋田滋
て来ると、二匹の犬のほうがかえって彼女の愛情を攫ってしまうのだった。彼女は毎晩、
母親のように、優しく犬の世話をした。暇さえあれば、二匹の犬を撫でてやった。そして....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
よとて、親族よりの餞別見送り、父はそれらに勇みを付けて笑いを作りて居られたれど、
母はおろおろとして、「宜いかエ周吉、気をお付けなさいよ、早く帰ってお出よ」と同じ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ろうか。 この児の生れたのはのことであった。父はジェームス・ファラデーといい、
母はマーガレットと呼び、その第三番目の子で、ミケルという世間には余り多くない名前....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ももう止めにしようとしていた時である、先刻から、未婚の女でとおして来た年老いた伯
母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さな指環に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
年下の子供を家に送って行ってやったが、偶然その子に綺麗な姉がいたり、あるいはその
母親が善良な女房で、うまい御馳走をつくるので評判だったりしたものだ。じっさい、彼....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
れの女が教会へやって来た。一人は年をとっているが、もう一人のほうは若い。どうやら
母娘らしい。その後ろについて、その女の連れらしい一人の男が彼の前を通った。教会か....