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母国
「母国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
母国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
浜から出る船には乗らないで、わざわざ神戸まで行くことにしたのも、独りでこっそりと
母国に別れを告げて行くつもりであったからで。
突然な岸本の思立ちは反《かえ》っ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
をねらって、ここに人類との初交渉をおこなうことになったのである。だから海底超人の
母国は、この宇宙に一つの遊星となって、いまも虎視眈々として、第二の植民をおこなお....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
か。 沈没迫る ああ。なんという不運な雷洋丸よ! もうあと一日たてば、
母国の横浜港にはいれるところまで、もどってきたのだ。ところが、とつぜん、この大遭....
「火薬船」より 著者:海野十三
ことです」 「出て来られない事情というのは何か。それをいえ」 岸隊長は、まるで
母国語のように、中国語でべらべらいいまくる。 そのとき、かの半裸の中国人は、一....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
せんから、せめて息子だけ、巴里って恋人に添わせて置くのを心遣りに、私達は日本って
母国へ帰って来ましたの。何も息子を偉くしようとか、世間へ出そうとか、そんな欲でや....
「小公女」より 著者:菊池寛
。先生の微笑は非常に喜んでいるしるしでした。セエラの子供らしい美しい声が、自分の
母国語をこうまで率直に、可愛らしく語るのを聞いていると、まるで故郷にでもいるよう....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
コクトオが、日本へ来たとき、日本人がどうして和服を着ないのだろうと言って、日本が
母国の伝統を忘れ、欧米化に汲々たる有様を嘆いたのであった。成程、フランスという国....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
吉はいつも腹がへっている。 戦争中も、捕虜になっても、腹がへり通しであったが、
母国へきてもまだへり通しで、捕虜の時よりもひどい。 倖い、衣子が食べさせてくれ....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
代の詩の問題も話題にのぼりました。あなたは、それについても、現代の詩人の不幸は、
母国語の生命の稀薄さに在りと断言された。僕もその点は同感ですが、また一方、言葉に....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ようとしている一商船が、イングランドにとどけてくれるでしょう。もしかしたら何年も
母国の土を見ないかもしれない僕よりも幸運な船です。とはいえ、僕はとても元気です。....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
、信州の人は信州に、紀州の人は紀州に、それぞれの土に血の脈を感じているのである。
母国という言葉は、誰が作ったのか、さればこそ、大和民族のすべてが清いのだ。 さ....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
が一番崇高なものである。それで崇高な交易の途を追って日本へ来た。日本へ来てからは
母国で矯激な振舞いなぞあったとも見えぬような律義な青年だった。千代田のお城の松を....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
中心となった頃であった。が、日本へ帰ったばかりのテオドラ嬢は日本の民間党の領袖に
母国の大政治家ジスレリーを私淑する花形役者があるのを少しも知らなかったろうし、ま....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ので、今度は、艦隊を沖合に出して、西インドから帰ってくる商船隊を待ち伏せ、彼らが
母国へ持ち帰る財宝を掠奪しようではないかと力説した。もう一度、彼の意見は誰の支持....
「黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
M. Scott)を招いて、小学校に於ける実際の教授法を伝えて貰った。スコットは
母国の師範学校出身者であり、東京の師範学校では、主として英語と算術を教えたが、教....