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母様
「母様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
母様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
《もちろん》、女隠居にも意外だったらしい、妙に険《けん》のある言葉だった。
「お
母様《かあさま》、少し静かにして頂戴《ちょうだい》。」
Nさんはこう云う雪さん....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
も、あるいはあの日までと云った方が、もっとほんとうに近いかも知れない。あの日、伯
母様の家の一間で、あの人と会った時に、私はたった一目見たばかりで、あの人の心に映....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
すみも顔をそむけたまま、おぎんの方は見ようともしない。
「お父様《とうさま》、お
母様《かあさま》、どうか勘忍《かんにん》して下さいまし。」
おぎんはやっと口を....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
多《いた》く機嫌《きげん》を損《そこ》ねた形、あまり子供がはしゃぎ過ぎると、若い
母様《おふくろ》には得《え》てある図じゃ。
本当に怒り出す。
といった風情《....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
肖然《そっくり》だ、今の声が。」 と膝へ抱く。胸に附着《くッつ》き、 「台所に
母様《おっかさん》が。」 「ええ!」と父親が膝を立てた。 「祖母《おばあ》さんの....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
階じゃ大層お話が持てますそうでございますから。」 「憚様。お客は旦那様のお友達の
母様でございます。」 めの字が鯛をおろす形は、いつ見てもしみじみ可い、と評判の....
「春昼」より 著者:泉鏡花
も大略は分ります、先ず二十三、四、それとも五、六かと言う処で、」 「それで三人の
母様? 十二、三のが頭ですかい。」 「否、どれも実子ではないでございます。」 「....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
えません。」 「すぐ開き扉一つの内に、祖母が居ますが、耳が遠い。」 「あれ、お祖
母様にも失礼な、どうしたら可いでしょう。……それに、御近所の方、おかみさんたちが....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
にばかり、言い知らず力が籠った。 謙造は、その時はまださまでにも思わずに、 「
母様の記念を見に行くんじゃないか、そんなに弱くっては仕方がない。」 と半ば励ま....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
の目がどんなに立派なものだか知ってるかね。」 三十八 「お前さんの
母様が亡なんなすった時も、お前にゃあ何でもしたいことが出来るからってとお言いだっ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
よりて人間どもの勝手な仮構事じゃ。乙姫様は決して魚族の親戚でもなければ又人魚の叔
母様でもない……。が、もともと竜宮は理想の別世界なのであるから、造ろうと思えば海....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
なものよ、大方猪ン中の王様があんな三角|形の冠を被て、市へ出て来て、そして、私の
母様の橋の上を通るのであろう。 トこう思って見ていると愉快い、愉快い、愉快い。....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
んはないの、」 「角兵衛に、そんなものがあるもんか。」 「お前は知らないでもね、
母様の方は知ってるかも知れないよ、」 と衝と手を袴越に白くかける、とぐいと引寄....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
い。」と、愛吉は目の色の変るまで対手の三人を屹と睨めて、手も足も突張返った。 「
母様、」と才子は衝と身を起しざまに、愛吉を除けて起った。 「貴郎もお立ちなさいま....
「活人形」より 著者:泉鏡花
るには、泰助も涙ぐみぬ。 美人はまた、「あれ堪忍して下さいましよ。貴女は仮にも
母様、恨みがましいことを申して済みませんでした。でももう神様も、仏様も、妾を助け....