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「母者人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

母者人の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ロマネスク」より 著者:太宰治
へ肩身のせまい思いをした。惣助の懸念《けねん》はそろそろと的中しはじめた。太郎は母者人《ははじゃひと》の乳房にもみずからすすんでしゃぶりつくようなことはなく、母....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
むのを眺めて居る。料理が出たが、菜食主義の彼は肉食をせぬ。腹は無闇に減る。新郎の母者人が「ドウカお吸物を」との挨拶が無い前に、勝手に吸物椀の蓋をとって、鱚のムス....
丹下左膳」より 著者:林不忘
います、おじぎなんぞなさいまして!」 「ははは、不見識だといわるるか。ハテ、実は母者人《ははじゃびと》に生きうつしのそこもと、これからはまたお艶のお腹さまとして....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
、怪我はなかったということだから、妾は安心をしているのさ」 「ところが、あの人の母者人なるものが、気を失ったということですぜ」 「まあ、よっぽど驚いたんだね」 ....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
子供のように他愛なく、こう秀次は甘えるように云った。 「俺にもお前は懐かしい。母者人のような気持がする。俺はお前の云う通りになろう」 「ようご決心なされました....
モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
もあんたさん、毛色の違うた男にはな。」 と、二の足を踏んでいる母親に、姉さんや叔母者人《おばじゃひと》たちは、 「そないに雪が、気にいらはったのなら、加藤の家に....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
して、 「どうしてそうあなた様は、父や母のことをごぞんじなのでございますか」 「母者人の柘植ゆうと、生前近しくしておりました」 「親類の方ででもいらっしゃいます....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
かれこれする中に柏木貨一郎さんが養母とともに見える。三枝のお嬢さんお綾さんには母者人のおびくさんが附いて見えられる。二階で落ち合って蕎麦を食べて見合いをされた....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
った。 「ウーム、これは名器だ。この笛を捨子に添えてあったといえば、そなたの父も母者人も、およそ人がらがわかる気がする」 「笛の先生も賞めていましたが、そんなに....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
すっかり分ったように暢々と笑いながら、母のほうへ向って、 「お聞きあそばしたか、母者人は、なんぞ思い違いをなされたのでございましょうが」 すると、彼の母は、い....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いいことだ、隠密甲賀世阿弥は当分下男ということに早変りした。するとまもなくお前の母者人が重病にかかった。うすうす事情を眺めていると、その当時、関屋孫兵衛というひ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
とり、老女ルシヤ様のつれていた娘が、後に、天草の原ノ城へ入りました。 孫兵衛の母者人イサベラ様はマリヤの笄とともに、その異国の人の血をひいてきたお方でございま....
三国志」より 著者:吉川英治
は歓んで、夜もすがら希望に耽って、語り明かしたくらいです」 「あ。こちらが貴公の母者人か」 「そうです。――母上、このお方です。きのうお目にかかった翼徳張飛とい....