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母親
「母親〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
母親の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
知事などにもなった或政治家の次男だった。が、豪傑肌の父親よりも昔の女流歌人だった
母親に近い秀才だった。それは又彼の人懐《ひとなつ》こい目や細っそりした顋《あご》....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
は勿論知らないが、小えんは若槻に三年この方、随分尽して貰っている。若槻は小えんの
母親ばかりか、妹の面倒も見てやっていた。そのまた小えん自身にも、読み書きといわず....
「河童」より 著者:芥川竜之介
を借りてお産をするのです。けれどもお産をするとなると、父親は電話でもかけるように
母親の生殖器に口をつけ、「お前はこの世界へ生まれてくるかどうか、よく考えた上で返....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
たのですが、彼自身は勿論そう云う不思議を信じている訳でも何でもありません。ただ、
母親から聞かされた通り、この聖母の謂《い》われ因縁をざっと説明しただけだったので....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
際そこになかった色々な物が、影のように幾つとなく去来した。第一に現れたのは、彼の
母親のうすよごれた裙子《くんし》である。子供の時の彼は、嬉しい時でも、悲しい時で....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
勿論、釈迦の大悪《だいあく》もまた明白である。(ジアン・クラッセ)しかしおぎんの
母親は、前にもちょいと書いた通り、そう云う真実を知るはずはない。彼等は息を引きと....
「女」より 著者:芥川竜之介
う産所《さんじょ》と墓とを兼ねた、紗《しゃ》のような幕の天井の下に、天職を果した
母親の限りない歓喜を感じながら、いつか死についていたのであった。――あの蜂を噛み....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
――うれしがっていらっしゃるでしょうね。
――可哀いいお子さんよ。
――私も
母親になりたいわ。
――おおいやだ、私はちっともそんな気はしないわ。
――そ....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
》きもなく、和尚の前へ手をついて、震える声を抑えながら、「私《わたし》はこの子の
母親でございますが、」と、思い切ったように云ったそうです。これにはさすがの日錚和....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
種の掠奪《りゃくだつ》結婚を弁護しなければならぬ。
又
子供に対する
母親の愛は最も利己心のない愛である。が、利己心のない愛は必ずしも子供の養育に最も....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
した。 そうだ、私は突然母の旧いおつくりを思い出したのだった。すると、母の俤は
母親がその時時の流行を逐うて著ていた着物や、次から次へ変えた髪飾りに応じて変った....
「初雪」より 著者:秋田滋
て来ると、二匹の犬のほうがかえって彼女の愛情を攫ってしまうのだった。彼女は毎晩、
母親のように、優しく犬の世話をした。暇さえあれば、二匹の犬を撫でてやった。そして....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
四月初めにはローマに向い、そこからファラデーは旅行の事どもを書いた長い手紙を
母親に送り、また元の主人のリボーにも手紙を出した。そのうちには、政治上のごたごた....
「寡婦」より 著者:秋田滋
私はその子が満足するだけ接吻をしてやりました。優しい手紙も書きました。その手紙は
母親たちも読んでいたのです。その子は火のような手紙を書いて返事をよこしました。手....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
年下の子供を家に送って行ってやったが、偶然その子に綺麗な姉がいたり、あるいはその
母親が善良な女房で、うまい御馳走をつくるので評判だったりしたものだ。じっさい、彼....