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「毒手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毒手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
も荒療治をおやんなさいましたな」 「あたりめえだ」 吐き出すようにつぶやくと、毒手にかかった女たちをあわれむように、黙々と目をとじました。....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
面に在り、酒を品するは只三杯だ。打たずんば交りをなさずと云って、瞋拳《しんけん》毒手の殴り合までやってから真の朋友《ほうゆう》になるのもあるが、一見して交《まじ....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
曹達石灰とを通せば遮られるし、ゴム衣ゴム手袋ゴム靴で結構避けられます。そういう防毒手段のわかっている毒瓦斯は、今じゃどこへ持っていって撒いても、効目がありません....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
にそれを突き放してしまうものであると、米友は今や信じきっているのであります。その毒手にかかって甘んじて、その玩び物となって誇り顔しているお君の愚かさは、思い出し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
し、井戸へ投げ込むことだけは、おゆるし下さいまし」 盲法師は必死になって神尾の毒手から免れようとして、井戸桁《いどげた》にとりついているもののようです。盲法師....
兎と猫」より 著者:井上紅梅
いのもまるで見えなくなった。その時毎日雨が降っていたので、三太太はまたあの黒猫の毒手を心配したが、わたしはそうでないと言った。気候が寒いから隠れているので、日が....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
義ござります。……今より大略五年以前に、皇太子におわすカンボ・コマ殿下、悪人共の毒手に渡り、お行方不明になられませなんだかな?」 「おお如何にも其通り、行方解ら....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
へ上った時には、その光は消えていて、闇ばかりが二人の周囲にあった。 悪漢毒婦の毒手によって、無残に殺された男の怨恨が、十年もの間籠っているところの、ここはあけ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
かりでなく……」と大探偵は私の顔をつくづく見て、「僕らの友人ダンチョン君を蛮人の毒手から救ってくれた君の義侠心に対しては心からお礼を申し上げる」 こう云って彼....
南国太平記」より 著者:直木三十五
りして、風が交ってきた。庭の、竹藪が、ざわめいていた。 「それから――お由羅方の毒手を監視のため、典医、近侍、勝手方、雇女を見張る役が要るし、同志があれば此上と....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
と富士男が色をかえてとめた。 「いいえ、ゆかしてください、わたしは一度かれらの毒手からのがれることができました、これは神さまが味方してくださったからです、わた....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
があるかも知れないという考えがあったので東南の山中に進行したです。 もし彼らの毒手から免るる事が出来たならば実に彼らの兄弟喧嘩で私が拳骨一つ喰ったのが誠に好い....
活人形」より 著者:泉鏡花
きては、我が職務の恥辱なり。いで夏の日の眠気覚しに、泰助が片膚脱ぎて、悪人|儕の毒手の裡より、下枝|姉妹を救うて取らせむ。証拠を探り得ての上ならでは、渠等を捕縛....
港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
れるように入れられたのです、もし強いて帰ろうとしたなら、女の姉の使う剣と、老人の毒手が待っているのです、女の姉は跛の醜い女でしたが、七本の短剣を使うのです、後か....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
ては、時にいわゆる継子根性を生ずると同じように、彼らは世間の邪見無慈悲なる継母の毒手にかかって、ついにこの継子根性を養成されたのであらねばならぬ。かくの如くにし....