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「比べ物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

比べ物の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
みつけるのじゃない、清をおれの片破《かたわ》れと思うからだ。清と山嵐とはもとより比べ物にならないが、たとい氷水だろうが、甘茶《あまちゃ》だろうが、他人から恵《め....
行人」より 著者:夏目漱石
は気の利《き》いた東京の下宿屋ぐらいなもので、品位からいうと大阪の旅館とはてんで比べ物にならなかった。時々|大一座《おおいちざ》でもあった時に使う二階はぶっ通し....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
に立っている人の顔もよく見えない程でした。それから見ると、今日の霧などはほとんど比べ物にならない位ですが、その時と今とはこっちの覚悟が違います。戦時のように緊張....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
、私はまた彼女の顔をしみじみと見ていた。ほんとに四、五年前見ていた時分とはまるで比べ物にならぬくらい美しい女になっているのに私は驚いたのであった。 女主人は機....
産屋物語」より 著者:与謝野晶子
う感を切実に抱きます。生れた児は海の底に下りて採り得た珠と申しましょうか、とても比べ物のないほど可愛う思われます。男は小児との間に精神上にも肉体的にもこういう関....
村芝居」より 著者:井上紅梅
公の豆は一粒|撰りなんだぜ。田舎者にゃわからねえ。全く乃公の豆は、ほかのもんとは比べ物にならねえ。乃公はきょう幾らか、おばさんのところへ持ってってやるんだ」 ....
地上」より 著者:島田清次郎
らかな衣服は貴族的な気品を生ぜしめている。その上品な清純な美しさは自分なぞとても比べ物にならないと平一郎は考えた。しかし、と平一郎は考え直さずにはいられなかった....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
太い、江戸の人とは受取れないような、頑丈な不粋な男振で、まるで若いお内儀さんとは比べ物にならなかった。何のこともない、五月人形の鐘馗様とお雛様とを組み合せたよう....