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毛唐
「毛唐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毛唐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
だと思うだろう。ところがそうじゃない。そもそも、日本人だと思うのが間違いなんだ。
毛唐《けとう》の役者でね。何でも半道《はんどう》だと云うんだから、笑わせる。
....
「五月の朝の花」より 著者:岡本かの子
水晶のかけらのスイートピー。 くじゃくの彩羽の紋所ばかり抜いて並べたパンジー。
毛唐国の花だとさげすみながら、人は何と争って五月の花壇の真中に何よりも大切にこの....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
見られい! あの勢いを」 寅二郎は敵愾《てきがい》の心も忘れて、嘆賞した。 「
毛唐め! やりおる! やりおる! あのように皇国《みくに》の海を人もなげに走りお....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
峰《リム・ボー・チェ》の彩光をラジウムのせいだといっているね。なるほど、いちばん
毛唐にピンとくるのは欲の話だからね。しかし僕は、どんな富源でも後廻しにしなきァな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は何とか早く埓を明けてやらなけりゃあいけますめえ。日本の役人ペケありますなんて、
毛唐人どもに笑われちゃあ癪ですからねえ」 「大きく云やあ、そんなものだ。あした八....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
き声で呶鳴るという始末。 異人嫌いの時代ですから、こうなると堪まりません。この
毛唐人め、ふてえ奴だ。取りもしねえものを取ったと云って、日本人を泥坊扱いにしやあ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と、いつの間に用意をしたか、取って捨てた手拭の中から腹掛を出た出刃庖丁。 「この
毛唐人めら、汝、どうするか見やあがれ。」 あッと云って、真前に縁へ遁げた洋服は....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
った。実際、こうした下宿屋には、東洋人が来ることはほとんど絶対にない。お客はみな
毛唐ばかりなのだ。 六 上海に幾日いたか、またその間何をしていたか、ということ....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
扱われていたのでした。 それから次には伊井蓉峰の親父さんのヘヾライさん。まるで
毛唐人のような名前ですが、それでも江戸ッ子です。何故ヘヾライと名を附けたかという....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
せん。長く伸びるのを待つばかりです」 さはいえ阿Qは承知せず、一途に彼を「偽|
毛唐」「外国人の犬」と思い込み、彼を見るたんびに肚の中で罵り悪んだ。 阿Qが最....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
道とか槍術とか、そんな方は見切りをつけて、砲術を学んだ方が為に成る。それには一度
毛唐人の国へ行って来た方が好いとのお話……私は、実は貴郎に、米利堅へでも、和蘭陀....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
お待ち下さい、待っておくんなさいまし。ええと、先生、こうです。何だってその、あの
毛唐人奴等、勝山のお嬢さん、今じゃあ柳屋の姉さんだ、それでも柳橋|葭町あたりで、....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
兵衛の顔を見るなり 「おまえは誰じゃ! 」 「おまえって! 正五郎さん、あなたは
毛唐屋の吉兵衛を知ってやろがな。あなたもひどい人やな、卑しくも、もったいなくも、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
思うね。」 「ウイスキーより、俺あ日本酒だ。」 「だろう。だから芭蕉の句なぞが、
毛唐にわかってたまるものか。童謡だってほんとうは境涯のものだよ。極めて単純化され....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
者ですよ。相手変れど主変らずッて奴でね。ちょいちょい男が変るんです。いつも相手は
毛唐だが――。その女給さんですか? それや貧弱な女で、装なんかも構わないで、粗末....