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「毛彫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毛彫の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
家霊」より 著者:岡本かの子
ととぎすを彫るようになり、細づくりの耳掻きかんざしに糸萩、女郎花《おみなえし》を毛彫りで彫るようになっては、もうたいして彫るせきもなく、一番しまいに彫って差上げ....
武蔵野」より 著者:山田美妙
は大小ともになかなか見事な製作で、鍔には、誰の作か、活き活きとした蜂が二|疋ほど毛彫りになッている。古いながら具足も大刀もこのとおり上等なところで見るとこの人も....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
縞の仙台平《せんだいひら》の袴を折目高につけ、金無垢の縁頭《ふちがしら》に秋草を毛彫りした見事な脇差を手挾《たばさ》んでいる。どう安くふんでも、大身の家老かお側....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
てみると、そのパチンの一ばん目につかないところに、模造真珠というフランス文字が、毛彫りになっていました。 ――得心が行ったかな、これがほんとに似せものの真珠だ....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
歌麿は「青楼十二|時」この方、版下を彫らせては今古の名人とゆるしていた竹河岸の毛彫安が、森治から出した「蚊帳の男女」を彫ったのを最後に、突然死去して間もなく、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
とが、すっと風を吸って、ぴたりと合って、むくりと一個、瓜が据る。肉取り、平象嵌、毛彫、浮彫、筋彫、石め、鏨は自由だから、蔓も、葉も、あるいは花もこれに添う。玉の....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
貫目を計って、釣合を取って、撫でてかぐ。)……とそう云うんですッて、大変だわね。毛彫浮彫の花鳥草木……まあ私のお取次ぎは粗雑ですよ。(匂がする、)と言うくらいだ....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
します。そうして鉄金具を四隅や錠前などに、たっぷりと宛行います。金物にはしばしば毛彫が施され様々な紋様を現しました。引手金具も色々あって美しいのが少くありません....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ない。 お綱の、あの鈴形に澄んだ目も、きりッと蕾んだ口元も、板木師が一本一本|毛彫にかけたような髪の生えぎわも、ふるいつきたい襟あしの魅力も、小股のきれ上がっ....