毛根[語句情報] »
毛根
「毛根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毛根の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
、小野田は疳癪《かんしゃく》が募って来るとき、いつもするように口髭《くちひげ》の
毛根を引張っていたが、調子づいて父親を※待《もてな》していた彼女に寝込まれたこと....
「桜の樹の下には」より 著者:梶井基次郎
《どんらん》な蛸《たこ》のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような
毛根を聚《あつ》めて、その液体を吸っている。 何があんな花弁を作り、何があんな....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
りりと痛むところが一箇所みつかった。それは左のこめかみの少し上にあたるところで、
毛根にがさがさするほど血らしきものがこびりついていた。 承前・稀代の怪事 「いつ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ただちに引き上げられたけれども、頭髪はほとんど無残にも引き抜かれていて、おまけに
毛根からの出血で、昏倒している彼女の顔は、一面に赭丹を流したよう素地を見ることが....
「黴」より 著者:徳田秋声
ら良人が折れて出るのを待つように、眼前を往ったり来たりしている妻の姿や声が、痛い
毛根に触られるほど、笹村の神経に触れた。 昨夜|麻布の方に、近ごろ母子三人で家....
「奇怪な話」より 著者:豊島与志雄
が、酔ってくるに随って、彼は度々同じ問をくり返すのである――人体には、勿論汗腺や
毛根を除いて、内部に通ずる穴が幾つあるか、知っていますかと。 身体に幾つ穴があ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
めだったのか! その時、前に言ったとおり、彼の全身は反抗の念に震え上がった。彼は
毛根の中にまで自我心が激しく目ざめ来るのを感じた。彼の内部の深淵《しんえん》のう....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
毛を出して顕微鏡の下で見ますと、死体から抜き取った方は図のAに示してあるごとく、
毛根がついていて、尖端すなわち遊離端は木の枝のように三つ四つに割れておりましたが....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
れ、皮膚は出血斑で蔽われている。髪の毛はすっかり脱け落ちて、わずかに残った眉毛の
毛根が血膿をためていた。これから推すと、膝関節にも腫脹がはじまっているのだろう。....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
えば消化器粘膜では口内炎、胃炎、腸炎が起こり、赤痢によく似た下痢をする。それから
毛根乳頭もおかされて脱毛する。しかし、これは回復するものである。肺は肺炎を起こし....
「三国志」より 著者:吉川英治
うてい、自分たちには、歯がたちませんと云い訳するのを聞くと、孟獲の青面赤髪はみな
毛根毛穴から血をふき出しそうな形相になった。 「この裏切者。孔明に恩を売られてい....
「墓場」より 著者:西尾正
るではありませんか」 「さよう。ポオは真実を書きました。あまりにも烈しい恐怖は、
毛根を殺してしまうことを身を以て知ったのです」 「そのためにお国にいられなくなっ....