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「毛織物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毛織物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
験を話した。その料理店の食堂は、扉の合せ目も床の敷ものも物音立てぬよう軟い絨氈や毛織物で用意された。色も刺激を抜いてある。天井や卓上の燭光も調節してある。総ては....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
たが、それは二人分の完全な骸骨《がいこつ》をなすもので、数個の金属性のボタンと、毛織物の腐って塵《ちり》になったのらしく見えるものとが、それにまじっていた。鋤を....
祭日ならざる日々」より 著者:宮本百合子
わめ、富貴をほこるものであるが、これを見る私たちの一方の目は、冬に向うのに純粋の毛織物は十一月から日本で生産されない。メリヤスもなくなる。木綿も節約せよ。食糧も....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
肥えたもの、脂肪多き女と食物、豚のカツレツ、ストーブ、火、火鉢、湯たんぽ、炬燵、毛織物、締め切った障子、朱、紅、の色などいうものを好みなつかしむ心|甚だしい。 ....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
帰ったあらゆるものがなるべくそのままつめ込んである。蓋を開けるとナフタリンと何か毛織物の持つ特殊な外国風の匂いとが交ってパリの下宿にいた時の空気が今なおなつかし....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
箱は絶えず内部に樟脳の香が満ちていて、ナフタリンなんか入れなくても虫を防ぐから、毛織物類を仕舞って置くには、家庭用として特に便利である。それはいいが、香港でこれ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
富豪の邸宅――といったところで驚くほど小さな――に混って、ばかに内部の暗い本屋や毛織物店が、時代と場処を間違えたように二、三軒かたまっていたりして、ここの街上で....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ことの、やれ「お前も知ってるとおり今やあたらしく生れ出ようとしている英仏合同一大毛織物会社の設立相談会があってことに遊子ぶって中空に冴えわたる月を眺めたりなんか....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
して、おべんとうを暖めたり、火鉢に火をつぎ足したりする。得意先や、日本一だという毛織物会社の人が来ると、――この会社の一手販売をしている卸売業なのである――上等....
立札」より 著者:豊島与志雄
なるのだ。俺の物貨はどうなるのだ。」 「まあ大丈夫のつもりであります。穀物の類と毛織物の類がおもなものですから……。」 「それだ。俺が買い込むつもりだったのは、....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
武はへいきだった。はじめあなに入れられたときは、雪が降ったので、じぶんの着ていた毛織物の毛をむしりとって、雪といっしょにたべて、生きていた。あれ野に追い出されて....
ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
ルヌを渡り、美しい田舎道を百二三十キロも走ったと思う頃、シャーロンの町を通った。毛織物の名産地で、此処にも古いカテドラルがあるということだったが、目につかないで....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
量を増加し、鉱業は、道具や機械を作る鉱物の量を増加する。製造工業は、繊維を絹布、毛織物、綿布に変じ、鉱物をあらゆる種類の機械に変化する。土木建築業は工場、鉄道を....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
してよ、こんな商売、私、随分、寂しいのよ。 イベットは両手で小田島の腕を握り、毛織物を通して感じられる日本人独特の筋肉が円く盛上った上膊に顳※を宛がった。そし....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
僕であったです。 この一隊はカシミール地方の産物の乾桃、乾葡萄及び絹物あるいは毛織物類をラサ府に持って行き、そうしてラサ府から茶、仏像、仏画の類を買って来るた....