毛髪[語句情報] » 毛髪

「毛髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毛髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
り渠の腰に縋《すが》りつ。風は※々《しゅうしゅう》と両腋《りょうえき》に起こりて毛髪|竪《た》ち、道はさながら河《かわ》のごとく、濁流脚下に奔注《ほんちゅう》し....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
して寝転んでいた。近づくままに顔を見るとそれはもう末期にちかい癩患者で、眼も鼻も毛髪もまったくなく、口と鼻腔だけが無気味な闇黒をのぞかせていた。顔の色はところに....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
、カンカン日の当っていた硝子天井が、一瞬間に光を失ってしまったのだ! 漢青年の毛髪は、あまりの恐ろしさのために、まるで針鼠のように逆立った。 「真逆!」 窓....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
に枕があったが、探してみるとベッドの下にもう一つの枕が転げていて、これには婦人の毛髪がついていた。それだけではない。卓子の上に半開きになったコンパクトが発見され....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
しらべてみると白血球が十分の一位に減り、赤血球は三分の二に減じていた。そのうちに毛髪がぬけ始め、背中にあったちょっとした傷が急に悪化し、そして十九日目に死んでし....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
穴のなかを猟ると、ここに幾匹の虎を獲た。穴の奥には道士の衣冠や金簡のたぐい、人の毛髪や骨のたぐいがたくさんに残っていた。これがすなわち毎年仙人になったという道士....
大脳手術」より 著者:海野十三
のかね」 「そうだ。頭髪も頬髭顎髯も麻のように真白な老人だ。しかし老人くさいのは毛髪だけで、あとの全身は青春そのもののように溌溂としている。尤もお手のものの移植....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
、まるでナイフで紙を裂くように簡単に切開できるせいだった。よく気をつけてみると、毛髪の下の皮膚が、うすく襞状になっているのが見えないこともないが、それが見えたと....
火薬船」より 著者:海野十三
があるではないか。さっきいった長崎の禅寺へ、五十人ほどの参会者がそろいもそろって毛髪をそって、納めていったそうだが、ずいぶん世間には、こまかいところまでつじつま....
火葬国風景」より 著者:海野十三
ら焼き殺されるなんて、そんなむごいことがあろうか。八十助は焔が手足をいぶらせ焔が毛髪にメラメラ燃え移る場面を想像した。――彼は当てのない呪いの言葉を口走った。 ....
○○獣」より 著者:海野十三
には見慣れない若い西洋人の女が立っていた。背はそれほど高くはないが、鳶色の縮れた毛髪をもち、顔は林檎のように赤く、そして男が着るような灰白色のバーバリ・コートを....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
がやっても、握り飯やふかし芋は口にしなかった。五十歳に近い彼が若者のように漆黒の毛髪を持ち、三日間も立像化するエネルギーを把持しているというのは、全くこの生もの....
妖怪学」より 著者:井上円了
るに、その、いわゆる糸引きの秘法は、神仏の力にあらず、また身体の組織中より出ずる毛髪にあらず。すなわち、空中に散ずるところの塵毛中のやや長くしてかつ大なるものの....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
な話ではないんだ。りっぱにすじみちのとおっている話だよ。人間だって血液の赤い色と毛髪の色などをとりのぞけば、体じゅうが無色で透明になってしまうんだ。ガラスとたい....
茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
豊かな面立で、顔の皺まで一つ一つ丁寧に描いてある。前額から顱頂にかけて薄くなつた毛髪と、顳※部の手入れした白毛を交へた毛髪と、眉間の溝、鼻唇溝、さういふものまで....