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「氏より育ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

氏より育ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の子で、この二人は自分の母が京の公卿の血を受けたひとだという事など知る筈もなく、氏より育ちとはまことに人間のたより無さ、生れ落ちたこの山奥が自分たちの親代々の故....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
る。二十年、東京に住んでいた。丁度、生れた所に半分、他郷に半分、という訳である。氏より育ち、とか、孟母三遷の教えとか、人間は、環境に支配されるとか、朱に交われば....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
滝といって、十一二、前髪を振下げた、舞みだれの蝶々|髷。色も白く、子柄もいいが、氏より育ちで長屋中のお茶ッぴい。 「足をお洗いよ、さあ、ぼんやりしないで、よ、光....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
をもって生れたということは不思議だと。生活の条件の相異でこうもちがうものか、と、氏より育ちをおそろしく思いました。 今度のことは余りのことだから、わたしとして....
次郎物語」より 著者:下村湖人
二人が嬉しそうな顔をしたことなんか、一度だってありゃしない。そして何かと言えば「氏より育ち」と言う。何のことだかわかりゃしない。大方|乳母やを悪く言うつもりなん....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
でも響いていた立派な塩の製造業。そこの娘とあるからはなるほど行儀もよいはずじゃ。氏より育ちとは云うけれど、やはり氏がよくなければどことなく品が落ちるものじゃ。…....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
に疑いをかけ、ひどくせめられました。盗んで逃げる積りだろうッて、そして最後には、氏より育ちというがやはり両親が両親だからなアって云いました。 私はその一言でカ....