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気丈
「気丈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気丈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
添える色紙《しきし》の、心葉《こころば》をまねたものであろう。
それを見ると、
気丈な猪熊《いのくま》のばばも、さすがに顔をしかめて、あとへさがった。そうして、....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
にこう声をかけた。その声もまた不思議にも清太郎の声ではないかと思うくらいである。
気丈《きじょう》なNさんは左の手にしっかり相手の手を抑えながら、「何です、失礼な....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
り薬が通らなくってね。――でも今度の看護婦になってからは、年をとっているだけでも
気丈夫ですわ。」
「熱は?」
慎太郎は口を挟《はさ》みながら、まずそうに煙草の....
「運」より 著者:芥川竜之介
匣《かわご》に幾つともなく、並べてあると云うじゃございませぬか。これにはああ云う
気丈な娘でも、思わず肚胸《とむね》をついたそうでございます。
「物にもよりますが....
「或る女」より 著者:有島武郎
術を受けるから九時までにぜひとも立ち会いに来るようにとしたためたのだった。いくら
気丈夫でも腹を立ち割る恐ろしい手術を年若い少女が見ていられないくらいは知っていな....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
は空中に飛び上って、やがて敲《たた》きつけられるように地面に転がっていた。彼れは
気丈《きじょう》にも転がりながらすっくと起き上った。直ぐ彼れの馬の所に飛んで行っ....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
で夢中になってしまって、熱を出して木《こ》の葉のようにふるえ始めました。お婆様は
気丈《きじょう》な方で甲斐々々《かいがい》しく世話をすますと、若者に向って心の底....
「星座」より 著者:有島武郎
》にかかって、しまいには半身|不随《ふずい》になったので、床にばかりついていた。
気丈《きじょう》な母は良人の病が不治だということを知ると、毎晩家事が片づいてから....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
婦人《おんな》。
(どうかなさいましたか、)もうちゃんと法衣《ころも》を着たから
気丈夫《きじょうぶ》に尋《たず》ねる。
(いいえ、)
といったばかりできまりが....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
短刀を一口持っています――母の記念で、峠を越えます日の暮なんぞ、随分それがために
気丈夫なんですが、謹のために桐油に包んで、風呂敷の結び目へ、しっかり封をつけてお....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
れば、停車場で、次の汽車を待って、松本まで参りましょう。時間がありますからそこは
気丈夫です。」 しかるところ、暗がりに目が馴れたのか、空は星の上に星が重って、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、浜辺に一人立っていて、なんだか怪しいものなぞは世にあるものとは思えないような、
気丈夫な考えのしたのは、自分が彳んでいた七八間さきの、切立てに二丈ばかり、沖から....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
ます、ほかほかするくらいです。 やがて、六七町潜って出ました。 まだこの間は
気丈夫でありました。町の中ですから両側に家が続いております。この辺は水の綺麗な処....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
が、疎にも、それぞれの二階に籠っているらしい、それこそ親友が附添っているように、
気丈夫に頼母しかったのであります。もっともそれを心あてに、頼む。――助けて――助....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
立樹を動かすように、のさのさと相撲の群が帰って来た。 「それ、力士連が来た、なお
気丈夫じゃあないか。」 と、図に乗っていった。が、この巨大なる躯は、威すものに....