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気付く
「気付く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気付くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
白幽霊は、また奇妙な声で鳴き合った。大隅学士は、この会話のとき、或る重大な事実に
気付くべきだった。しかし心の余裕を失っていた彼は、そのとき遂に気付かないでしまっ....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
情と口調とで、訓戒を与えるのだった。面白いのは、訓戒を与えているのに、春ちゃんが
気付くと、彼女は燕のように忽ち圭さんの前にとんで行き、「余計なおせっかいだよ、す....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
受取ると、自身で詳しく調べ始めた。が、その柄の端近くに抜かれた小指程の太さの穴に
気付くと、貪る様にして暫くその穴を調べていたが、やがて傍らの助役へ、 「これはど....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
自分の援助を求めた無言の肢体信号なのだ――。 やっと茲迄考えついた秋田は、ふと
気付くと、もうどうやら隣室の騒ぎも済んだらしく、いつの間にかジャズの音は止んで、....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
を与えて彼女は毎夜のような流眄を八方に配り出した。しかも今夜の「新らしい工夫」に
気付くと卒然と彼女の勇気が倍加した。 リゼットは鋸楽師の左の腕に縋っておぼこら....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
のです。慣れた人には此の雲は普通の雲と違って項を圧する一種の感じを与えるから直ぐ
気付くと説明されて、成程私もそんな感じがすると言ったら笑われました。村人等は已に....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
に仕上げて満足そうに帰りかけたが蓋をした灰殻壺の中の憐れっぽい子雀の籠った鳴声に
気付くと流石に戻って、 ――可哀想なことをしたのね。これあたし頂戴いて行きますわ....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
理なのであります。多くの社会政策なるものがやはり、こんなようなもので、多くの人の
気付くところには、何等かの対策もするが、人々の気付かないところには、犠牲者を冷酷....
「雨」より 著者:織田作之助
の妨げになるやろという一言がお君の虚をつくという意外な効果をもたらしたことにふと
気付くと、専ら豹一を持ち出した。初めてお君の顔に皺が刻みこまれた。彼女は見る/\....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
えはともかく、高利貸の商売をしているのを知られるのがいやで、尾行《つけ》られたと
気付くと、蒼くなって曲り角からどんどん逃げた。家へ駈け込むとき、軒先へ傘を置き忘....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
三 吉田はその娘の話からいろいろなことを思い出していた。第一に吉田が
気付くのは吉田がその町からこちらの田舎へ来てまだ何ヶ月にもならないのに、その間に....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
れてある。 「俺を呼んだはどこのどいつだ」 女駕籠と見て取って、長庵にわかに元
気付く。 「ホ、ホ、ホ、ホ」と駕籠の中から、艶かしい笑い声が聞こえたが、 「おま....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
引張ってみたり、すり切れた穴のところに手を入れてみたり、ソワソワした。皆はそれに
気付くとデッキを足踏みして笑った。 「……俺アもうやめる。然し、諸君、彼奴等はブ....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
いれて倉田工業の全従業員に訴えること。私は原稿を鉛筆を嘗《な》め/\書いた。フト
気付くと、女が自分から「もう寝ましょう」と云えないでいることに気付いた。それで、....
「独房」より 著者:小林多喜二
えったが、勿論あれ程見知っている俺が、こんな自動車に乗っていようなぞという事には
気付く筈もなく――過ぎてしまった。俺は首を窮屈にまげて、しばらくの間うしろの窓か....