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気体
「気体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
か。麓はよし地上の山にしろ、頂はそれに何の縁もない雲に代って空から湧くまた一つの
気体の別山なのではあるまいか。南の海の※螺《ごうら》が吐くという蜃気が描き出す幻....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
さん、その刻限が、恰度博士の絶命時刻に、符号しているでしょう。ですから、暈とした
気体のようなものから、結晶を作ってくれる、媒剤を発見した気持がしたのですよ。つま....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
説によると、燃焼の際には空気が消費される。また燃焼を支持することのできないような
気体中では動物は生きていられないというのである。レオナルドは非常に優れたエンジニ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
暴的な幻想的なものに違いないのだ。それに、元来あの風精と云うのが、|眼には見えぬ
気体の精なんだからね。したがって、どこぞという特徴もないのだ」とむしろ冷酷に突き....
「海底都市」より 著者:海野十三
と着ていなければならなかった。この兜《かぶと》と服の中には、海水と、そして特別な
気体とがはいっていた。それは彼らの呼吸になくてはならないものだった。彼らが身体を....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
か、それとも他のものの中に……」 「それはこれから検べるんだ。毒物は固体、液体、
気体の如何なる形態をとっているか、それは今断言出来ない。中毒性|瓦斯《ガス》につ....
「空気男」より 著者:海野十三
ができなくなって、神に祈った。どうかして、このベッドルームの空間にフワついている
気体化した自分の身体が同じ
気体化した妻君の身体と交ざってしまわぬことを念じたので....
「火星兵団」より 著者:海野十三
あった。
それは、もちろん、ほんものの鳶ではなかった。それは、たいへんにかるい
気体をつめた一種の風船であって、その風船には、光電眼がついていた。
光電眼は、....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
の層を馬の如く着用しているのかと思うと私は甚だ気の毒に思えてならない。汗を直ちに
気体とする下襦袢はないかと思う。 さて私の印度洋は湿気と雨と風とで日本の梅雨を....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
るのである。 教科書の一酸化炭素の項には次のように書いてあった。 無色無臭の
気体で、極めて激しい毒性がある。空気一〇〇、○○○容中に一容を含むと、呼吸者は既....
「火の扉」より 著者:岸田国士
たような腰をもちあげて、やつと、プラットフォームに降りた。そこは、もう、不思議な
気体のうず、ガラスの粉をまきちらしたような空間の連続であつた。 案内を見失わな....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
らして蒸暑い。ユーゼーン・コルナッシュ通りの群集は並木の緑と一緒に磨硝子のような
気体のなかに収まって賑な影をぼかして居る。乗馬時間で通るものは馬が多い。彼は一々....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
居りますが、かくの如く、化合物となった窒素が人体に欠くべからざるものであり乍ら、
気体の形をして居る窒素が人体によって少しも利用されぬということは神様も甚だしい手....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
に触ったと見えて、 「おい贅六、俺たちはモングリでも水の中のモングリじゃないぜ、
気体の中のモングリだ」 「その鉄の兜は何だす? 」 「これかい……わからん奴だな....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
靄が濃い。大川の面を軽く吹き渡ってきた一陣の風が小川にかかった新橋の辺りの白い
気体をそっと払いのけると、稀薄になったその部分にすッと雲のかたまりのような、新し....