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気先
「気先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気先の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
と思うと、いきなり戸をあけてはいって来たものがあった。木村も葉子も不意を打たれて
気先《きさき》をくじかれながら、見ると、いつぞや錨綱《びょうづな》で足をけがした....
「或る女」より 著者:有島武郎
となって岡を見やったが、すぐ口じりにむごたらしい皮肉な微笑をたたえた。それは岡の
気先《きさき》をさえ折るに充分なほどの皮肉さだった。
「お疑いなさってもしかたが....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
線がないなあ」などと云った。度々来ているうち、その事もなげな様子と、それから人の
気先を撥《は》ね返す颯爽《さっそう》とした若い気分が、いつの間にか老妓の手頃な言....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
と遠くを見るような目をしたりしたまま、はかばかしく受け答えもしないのだった。
「
気先《きさき》あしければ、立ち戻ろうか?」
三斎がいった。
「いいえ、いいえ」....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
紋を繕ひ珠数を爪繰りつゝ、しづ/\と引返し進み出でければ、案に違ひし捕手の面々、
気先を呑まれてぞ見えたりける。
その時虹汀、大勢に打ち向ひて慇懃に一礼を施しつ....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
した。私に武者振りついても、飽くまで詰責しようと待構えていた母も、これですっかり
気先を挫かれて、苦笑するより仕方ありませんでした。そのあと母は泣き出して、おろお....