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気分
「気分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
見えなかったからかも知れない。
五
しかし、銭湯を出た時の馬琴の
気分は、沈んでいた。眇の毒舌は、少なくともこれだけの範囲で、確かに予期した成功を....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
こで、幾年にもなく、法華経《ほけきょう》書写の功を積んだ時のような、のびのびした
気分になった。
所が二三日たつ中に、内供は意外な事実を発見した。それは折から、....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
へ、説明しているようではないか。自分は思わず微笑を浮べながら、いつかひき立たない
気分も忘れて、じっと先生の声に耳を借した。
「そら、ここにある形容詞がこの名詞を....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
きはきしていれば、寝返りをするのも楽そうだった。「お肚《なか》はまだ痛むけれど、
気分は大へん好くなったよ。」――母自身もそう云っていた。その上あんなに食気《しょ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
いたまま、滅多にペンを使わないらしい大井の後姿を眺めると、時々昨夜以来の不思議な
気分が、カントと彼との間へ靄《もや》のように流れこんで来るのを感ぜずにはいられな....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ながら、始めて楽に息がつけるような心もちになった。
が、体だけはくつろいでも、
気分は妙に沈んでいる。何だかこうして坐っていると、硝子《ガラス》戸の外のくら暗が....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
会へも父親の名代を勤めさせる――と云った具合に骨を折って、無理にも新蔵の浮かない
気分を引き立てようとし始めました。そこでその日も母親が、本所界隈の小売店を見廻ら....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
飯の代りに、アイスクリイムと桃とを食って、二階へ床をとらせて、横になった。どうも
気分がよくないから、検温器を入れて見ると、熱が八度ばかりある。そこで枕を氷枕に換....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
お目にかけて見たところで、大した価値はございますまい。現在の私としては到底そんな
気分にはなりかねるのでございます。 と申しまして、私が今いきなり死んでからの物....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
連れ来れ。その時は予想以上の花々しい仕事ができる。更に又|座を組織する立会人達の
気分が、充分調和していてくれれば一層申分がない。交霊会の席上に出現する燐光でさえ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
刻に同じ料理を食った。ただ料理を運んで来るボーイが違っていただけである。 私は
気分を変えようとして旅に出たこともある。だが、知らぬ他国にあって感じる孤独が恐怖....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
音ある時となりて清涼の気味滴る計りなり。人に怪しめられ巡査に咎められ懊悩としたる
気分も洗い去りて清くなりぬ。ただ看れば橋の中央の欄干に倚りて川面を覗き居る者あり....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た。上の命名もこのホェーウェルが案出したものである。 次に、電流の強さを水の電
気分解を用いて測定を発見した。 ファラデーの書いた中には、「電極に現われて来る....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
をした。食事は美味かった。なんて他愛のないことだろう。その晩、私は気が晴々して、
気分も好く、若やいでいた。そして、その晩を知事の邸で過ごした。私は機知に富む男だ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
態度もきわめて非人間的であった。 私はトコトンまで追い詰められて、かえって反抗
気分が高まったようだ。巡回で通りかかった看守に『退屈だから本を読ませてくれ』と申....