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「気味合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気味合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
に避難バラックの住民の多数を占めている「江戸ッ子」が最近に見せている気分は、この気味合いを最も明らかに見せているので、一言で云えば、唯呆れ返るほかはないのである....
観画談」より 著者:幸田露伴
ずっと前の事であるが、或人から気味合の妙な談を聞いたことがある。そしてその話を今だに忘れていないが、人名や地名....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
は勢を得ている。でも押す方にも押される方にも、力士と力士との双方に云うに云われぬ気味合が有るから、寒気も甚《ひど》かったし天気も悪かったろうが、福島近傍の大森か....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
けて、どろりと嘗め込む。 と、紫玉の手には、ずぶずぶと響いて、腐れた瓜を突刺す気味合。 指環は緑紅の結晶したる玉のごとき虹である。眩しかったろう。坊主は開い....
連環記」より 著者:幸田露伴
乎は、今伝えられて居らぬが、蓋し或箇処、或言句からというのでは無く、全体の其時の気味合からでも有ったろうか、寂心は大に感激した随喜した。そして堪り兼ねて流涕し、....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
て鷹揚にまださほどは居ぬ蚊を吾家から提げた大きな雅な団扇で緩く払いながら、逼らぬ気味合で眼のまわりに皺を湛えつつも、何か話すところは実に堂々として、どうしても兄....
傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
、断片的に、諷刺的に、暗黙の理解のうちに取扱われて、言葉で語られるよりも、言外の気味合で触れられることが多かった。外見、一夕の宴は、世間的な談笑のうちに過ぎてい....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
分の心臓へ響くのを聞き、そのかすかなおののき、時間や季節や晴れ日や曇り日の無数の気味合《ニュアンス》、事物の声や沈黙、などを一々感じ取ってるという、漠然としたし....
孤独者の愛」より 著者:豊島与志雄
江の様子を窺ってみる。眼眸になにか打ち沈んだ病弱らしい影があり、口許に勝気らしい気味合いがある。丸みがかった顔立で、美人とは言えないが、頬の肉が柔かそうで、化粧....
秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
りでなく、また、張が側に控えてるからばかりでなく、つき込んだ話に持ってゆきにくい気味合いがあった。 星野は室の中を見廻した。あちこちの卓に倚ってる客たちは、た....
秦の出発」より 著者:豊島与志雄
来た。」と秦は私に言って、複雑な微笑を浮べた。 その言葉には、なにか冷りとする気味合があった。私はいろいろ推測して、張浩に関することであろうかと思ったが、実は....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、ぐにゃりとした手で敲いたんですから。 いま、戸が開いたと思うと同時に、可厭な気味合の冷アい風が、すうと廊下から入って、ちり毛もとに、ぞッと沁みたも道理こそ、....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
風よりはむしろ破落戸――というと語弊があるが、同じ書生風でも堕落書生というような気味合があった。第一、話題が以前よりはよほど低くなった。物質上にも次第に逼迫して....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を持ってる敗徳者もあるにはあるが、二葉亭は一切の罪人や堕落者の罪悪を強て肯定する気味合があった。殊に貧民に対しては異常な同感を払って、もし人間から学問技芸等のお....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
居る方は品が好く見え、下等社会の人のはごく下品で見るから嫌な感情を喚び起すような気味合いがあるです。 しかしチベットの下等社会の婦女子および大変喧嘩好きの下等....