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「気持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
で塗り立てた大きな広告看板が連ねて建ててあった。葉子は袖《そで》を顔から放して、気持ちの悪い幻像を払いのけるように、一つ一つその看板を見迎え見送っていた。所々《....
美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
を弾いてかゝつた仕事でないのだから、かうした讚辞を耳にしただけでも、もう狐光老の気持は充分に報いられてゐた。そして、『何しろこりや、美術しん粉細工なんだから……....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
…。』いろいろ言葉を尽してすすめられたのでありますが、私としては今更親元へもどる気持ちにはドーあってもなれないのでした。私はきっぱりと断りました。―― 『思召は....
蜜柑」より 著者:芥川竜之介
れは油気のない髪をひっつめの銀杏返しに結って、横なでの痕のある皸だらけの両|頬を気持の悪い程赤く火照らせた、如何にも田舎者らしい娘だった。しかも垢じみた萌黄色の....
狂女」より 著者:秋田滋
無かった。とは云うものの、時がたつにつれて、僕が心のなかで彼女の身のうえを気遣う気持もだんだんと薄らいで行った。 ところが、その年の秋のことである。山※をまた....
」より 著者:秋田滋
、肉体的な愛慾とか、あるいはまた尋常一と通りの精神的な愛情、そのような通り一遍の気持で愛していたのではございません。わたくしは、何ものをもってしても代えることの....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
腑は人間を駆って懐疑思想に導く。無信仰に誘う。人間の心のなかに暗い思想や死を念う気持を胚胎させるものだ。私はそうした事実をこれまでに幾度となく認めて来た。今夜食....
初雪」より 著者:秋田滋
かりたつと、喉のあたりがむずむずして来た。蟻がそのへんをぞろぞろ這っているような気持である。また、別な蟻の群が自分の手足のうえを這い※っているような気もした。し....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
ました。マルコは自分の国のアルプス山を思い出しました。そして自分の国へ来たような気持になりました。 その山はアンデズ山でありました。アメリカの大陸の脊骨をつく....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ンが鰻落しのからくりから借りてきたものであろう。校舎は、少々ものさびしいとはいえ気持ちのよいところに建っていた。木のおいしげった丘のふもとで、近くを小川が流れ、....
親ごころ」より 著者:秋田滋
けば、この老人も悲しい悲しい身の上ばなしを持っていた。ああ気の毒なひとだ、と思う気持が、彼等の間にいつしか深い友情を生むようになった。とうとう、彼等はある大きな....
狂人日記」より 著者:秋田滋
る手に少し力を入れてみた。心臓の皷動は前より早くなった。少々残酷だとは思ったが、気持が好かった。私はもう一息で小鳥の息の根を止めるところだった。が、そのまま死な....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
教室であるから聴衆が高い所に居ならんでいる。原稿を持って出たが、これを読むだけの気持の余裕がなく、無我夢中、やたらにカン高い声でしゃべってしまったが、わが生涯最....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
て、腰に巻きつけてしまいました。多助も後二枚だけ余計にもらったので、まんざら悪い気持もしませんでした。三人は城下へ行くのをやめて、その日は自分の村へ帰ってしまい....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
ったかも知れない。が、確かにこういう言葉は現世の本所の或場末に生活している人々の気持ちを代弁することになっているであろう。尤も子供の多い程暮しも楽だということは....