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気晴らし
「気晴らし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気晴らしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ました。そこでその日も母親が、本所界隈の小売店を見廻らせると云うのは口実で、実は
気晴らしに遊んで来いと云わないばかり、紙入の中には小遣いの紙幣《しへい》まで入れ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
見るようなことが多いのでした。『こんなことでは本当の修行にも何にもなりはしない。
気晴らしに少し戸外へ出て見ましょう……。』とうとう私は単身で滝の修行場を出かけ、....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
したあとでは、あんな所へでも行くのが却って好いのだ。」 「ええ。そうですねえ。お
気晴らしになるかも知れませんわねえ。」こう云って、奥さんは夫に同意した。そして二....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
きに取り次ぎ電話が酒屋さんからかかってきますから、辛棒していらっしゃいよ。そして
気晴らしに桃子さんに会って、機嫌よく帰っていらっしゃいね」 「何云ってやがるんだ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
戟しないようさりげなく云った。 「ねえ、あなた。あなたもたまには洛邑にでも出てお
気晴らしをなさっていらっしゃいませ、こんな田舎で長いこと毎日独で考え込んでばかり....
「春」より 著者:岡本かの子
が入って来て言うのである。 ――ええ、ありがとう。好いお天気ですね。 ――ちっと
気晴らしに庭でも御覧になっていらっしゃいませ。桜が咲いて居りますから。 加奈子....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
金儲けということについても疑問が起った。この頃のように暮しに心配がなくなりほんの
気晴らしに外へ出るにしても、映画を見て、酒場へ寄って、微酔を帯びて、円タクに乗っ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
い水であると彼は考えていた。彼は今夜それを残らず打ち明けた。そうして、もともとが
気晴らしの遊びであるから、女に情夫《おとこ》があろうが亭主があろうが、別にかけか....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
りと、けっして疲れず、しかし日に日に死に近づきながら、統治を続けた。彼には一つの
気晴らしがあった。ときどき、低いくぐり戸を通って、よろめき、よろめき、隣接の小礼....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ただ学問のある、声望の高い、ある意味では権力のある紳士たちばかりであって、彼らの
気晴らしというのは、むずかしい、人生とは関連の薄い問題を解こうと努め、この点で疲....
「博物誌」より 著者:岸田国士
二足三足庭の中を歩く。 まず眼につくのは灰の山である。彼女は毎朝そこでいっとき
気晴らしをやる習慣になっている。 彼女は灰の上を転げ回り、灰の中にもぐり込み、....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
りのあるフランス語で言った。 「わたしは犬をしこんでいるのです。それに……自分の
気晴らしにも」 子どもはなにか言った。婦人はそのほうにのぞきこんだ。 「あなた....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
それで宜しゅうございます。
そこで大抵中好く交際が出来る積です。
あなたの
気晴らしをしてお上申そうと思って、
ちょっと貴公子と云うなりをして来ました。
赤....
「神経衰弱的野球美学論」より 著者:坂口安吾
あるから、廻診の折、もう君、そろそろ、後楽園へ野球でも見物に行きたまえ、その方が
気晴らしになる、とアッサリ先方から意外の外出を許された時は、僕も嬉しかったが、実....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
給料でやりゃアいいんだ。それなら船長も文句があるめえ」 こう言われると、ほかに
気晴らしのない船中生活、誘惑に勝てないのである。いつしか大ッピラにやるようになり....