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「気根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気根の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
立ててついにみごと写しおわったことがある。僕も桂の家でこれを実見したが今でもその気根《きこん》のおおいなるに驚いている。正作はたしかにこの祖父の血を受けたに違い....
雪後」より 著者:梶井基次郎
開墾家で知られているある宗門の僧侶――そんな見当だった。また○○の木というのは、気根を出す榕樹《たこのき》に連想《れんそう》を持っていた。それにしてもどうしてあ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
アン・テリトリー》の裾だ。北緯二十六度、V字型の谿《たに》には根樹《ガツマル》の気根、茄苳《カターン》、巨竹のあいだに夾竹桃《きょうちくとう》がのぞいている。 ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
じ進めば、北は瞬時に人を呑む危険な流沙地域。他の三方は、王蛇でさえくぐれぬような気根寄生木の密生、いわゆる「類人猿棲息地帯」の大密林。だが、読者諸君、そこへ踏み....
光と風と夢」より 著者:中島敦
樹《ガジマル》だ。高さは二百|呎《フィート》もあろう。巨幹と数知れぬ其の従者共(気根)とは、地球を担うアトラスの様に、怪鳥の翼を拡げたるが如き大枝の群を支え、一....
三郎爺」より 著者:宮本百合子
習いはする。 けれども、読むこととなったら、もう駄目である。始めの五六字こそ、気根をこめて、大きな眼を見張りながら、四苦八苦して読み下す。二度も三度もその五六....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
これ二三十遍も遣直させられたと思うと、老顔に浴びるように汗の滝を流しながら、精も気根も尽き果てた体で謡本の前に両手を突いて、 「今日はこれ位で、どうぞ御勘弁を…....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
な浮気も許されるであろう。とにかくピカソの写実力と、その不老不死の力と、悪魔的浮気根性と不思議な圧力等においてまったくわれわれは多少羨んでもいいと思う。しかしど....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
来て座らないうちにいった。 「出来るだけのことならしてやろうよ、あの年でたいした気根《きこん》だ。」 あの老人が山へはいると仙人のように身軽になって、岩の上な....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
わゆるイチョウの乳が下がるが、これはこの樹に限った有名な現象である。つまりこれは気根の一種であろう。往々それが地に届きその先が地中に入ったものもある。 この今....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
しくない。私の外曾祖父は前にもいう通り、『美少年録』でも『侠客伝』でも皆謄写した気根の強い筆豆の人であったから、『八犬伝』もまた初めは写したに相違ないが、前数作....
法然行伝」より 著者:中里介山
らない。大原談義の時聖道浄土の議論があったが、法門に就ては互角の議論であったが、気根比べにはわしが勝ったのじゃ。聖道門は深いというけれども時が過ぎれば今の機には....
三国志」より 著者:吉川英治
が、奴ともなり婢ともなり、独りですべてをなそうとしたらどうなりましょう。体は疲れ気根は衰え、やがて家亡ぶの因となります」 「…………」 「主は従容として、時には....
暴風への郷愁」より 著者:山之口貘
まるは熱帯植物で、常緑の喬木で、葉はダ円形、葉肉が厚く、幹や枝から、ひげのように気根を垂れていて、一名榕樹ともいわれている樹なのだ。ぼくの家の井戸端にも、中年の....