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「気泡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気泡の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
存外に汚ないものが多い。それも、一皮|剥《む》けば純白である。それは上皮の雪は、気泡を含むことが多いから、白いのであるが、下の方まで穿って見ると、圧搾《あっさく....
雪の白峰」より 著者:小島烏水
にも、白峰《しらね》の夕照は、八景の一なりとある、山の雪は烈しい圧迫のために、空気泡を含むことが少ないから、下界の雪のように、純白ではない、しかも三分の白色を失....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、六弁形の壁灯がありましたっけね。実は、緋縅錣の方に向いている平面の弁に、一つの気泡があるのを発見したのです。ところで、眼科に使うコクチウス検眼鏡の装置を御存じ....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
でぼんやりとしか見えませんでしたが。しかし船は少しも水のなかへ沈みそうではなく、気泡のように波の上を掠り飛ぶように思われるのです。その右舷は渦巻に近く、左舷には....
虎狩」より 著者:中島敦
ている私の傍で、趙が得意気に言った。 硝子《ガラス》の厚みのために緑色に見える気泡の上昇する行列。底に敷かれた細かい白い砂。そこから生えている巾の狭い水藻。そ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
れは濁っていった。今はもうどんよりと流れていた。油ぎった水面に河底から立ちのぼる気泡《きほう》のように、呼び合う声、口笛の音、無頼漢の叫び声などが、その群集のど....
未亡人」より 著者:豊島与志雄
絡まりあって、時折は水面に顔を出してはっと息をつきながら、または水中からかすかな気泡を吐きながら、その僅かな然し根強い生命力を性行為に集中します。しまいには精根....
凍雨と雨氷」より 著者:寺田寅彦
円錐形や円柱形をしたものもある。氷球は全部透明なものもあるが内部に不透明な部分や気泡を含んでいるものもある。北米合衆国の気象台で定めたスリート(sleet)とい....
海豹島」より 著者:久生十蘭
ぎ、硝子窓にうつったゾッとするような異様な顔は、出来の悪いガラスの歪《ひずみ》や気泡の悪戯なのであった。 なんとしても馬鹿げた話だから、娘のことはもう考えない....
食道楽」より 著者:村井弦斎
の下《した》か腰の附け根だからそこを押えてみると空気の吹込んであるのはブクブクと気泡《あわ》が動く。鶉《うずら》なぞを買ったらよく試験してみ給《たま》え、清潔の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
れなかった。 やがてのこと。――道誉がそっとそこへ呼ばれていた。尊氏のあたまの気泡が何かその一つをかたづけておこうと、急に思いついたものらしく、 「ほかでもな....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
もさらってドッと駆け下りさま空を切って復た淵の中に潜まる。力の籠った吐息が無数の気泡となって、大地の底から沸き上って来る。重く淀んだ谷の空気は、岩を叩き岩に叩か....