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「気立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
た。しかし幸い脳にだけは異状も来ずにいるらしかった。伯母はまだこのほかに看護婦は気立ての善さそうなこと、今夜は病院へ妻の母が泊《とま》りに来てくれることなどを話....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ぼんやり佇《たたず》んで居た。また実際それよりほかに、何の分別もつかないほど、殺気立った彼の心の中《うち》には、気も狂いそうな混乱が、益々烈しくなって居たのであ....
忠義」より 著者:芥川竜之介
だん黄いろく肉の落ちた顔が、どこと云う事なく痙攣《けいれん》して眼の色まで妙に殺気立って来る。そうして、発作《ほっさ》が甚しくなると、必ず左右の鬢《びん》の毛を....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
れでは、息がつまって、口がきけぬわ。」 太郎は、それを耳にもかけないように、殺気立った声で、いらだたしく繰り返した。 「言うか、言わぬか。」 「言う。」と、猪....
歯車」より 著者:芥川竜之介
為に動かされていることを発見した。―― 「その植木屋の娘と云うのは器量も善いし、気立も善いし、――それはわたしに優しくしてくれるのです」 「いくつ?」 「ことし....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
ございます。名は金沢《かなざわ》の武弘、年は二十六歳でございました。いえ、優しい気立《きだて》でございますから、遺恨《いこん》なぞ受ける筈はございません。 娘....
路上」より 著者:芥川竜之介
さ。だからどうすれば好いんだと僕も云っていたんだ。」 大井はこう云いながら、殺気立った眉をひそめて、七八杯目のウイスキイをまずそうにぐいと飲み干した。 ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
を入れる、武張った人ではございましたが、八十|人力などというのは嘘でございます。気立ても存外優さしかった人で……。 見合の時の良人の服装でございますか――服装....
星座」より 著者:有島武郎
》げてしまった。今度はあなた方の仕事をする番が来た」と言いながら、悪魔のように殺気立った群衆に取り囲まれて保安裁判所に引かれていく…… 仏国革命に現われでる代....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
が違うて、男の児が一人ござって、それが今年十八じゃ。 奥様は、それ、継母いの。気立のやさしい、膚も心も美しい人じゃによって、継母|継児というようなものではなけ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
尊大にするのでもない。加茂川は鬼神の心をも和ぐるという歌人であるのみならず、その気立が優しく、その容貌も優しいので、鼻下、頤に髯は貯えているが、それさえ人柄に依....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
の忰が、女房持で水呑百姓をいたしておりまして、しがない身上ではありまするけれど、気立の可い深切ものでございますから、私も当にはしないで心頼りと思うております。そ....
誓之巻」より 著者:泉鏡花
らないで、と思うとかわいそうで、私ゃかわいそうで。 今更じゃないけれど、こんな気立の可い、優しい、うつくしい方がもう亡くなるのかと思ったら、ねえ、新さん、いつ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
しませんけれど、少し何んですから、まあ、潜と行って見ていらっしゃい。」 果は怖気立ちて、 「嫌だ、恐いもの。」 「ちっとも恐いことはない。私がここに見ています....
南地心中」より 著者:泉鏡花
童子という、三分刈りの頭で、頬骨の張った、目のぎょろりとした、なぜか額の暗い、殺気立った男が、詰襟の紺の洋服で、靴足袋を長く露した服筒を膝頭にたくし上げた、とい....