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気紛れ
「気紛れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気紛れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
など取寄せて、母子のような寛《くつろ》ぎ方で食べたりした。 養女のみち子の方は
気紛れであった。来はじめると毎日のように来て、柚木を遊び相手にしようとした。小さ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ていった。決してその逆ではなかったのである。 しかし人口が増殖してきたために、
気紛れでなしに本式に土地の耕作をする必要が起るとともに、事情は全くちがってきた。....
「妖術」より 著者:泉鏡花
した様子は、そのまま晴上りそうに見えるが、淡く濡れた日脚の根が定まらず、ふわふわ
気紛れに暗くなるから……また直きに降って来そうにも思われる。 すっかり雨支度で....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
便る深夜の光は、瓦斯を合わせて、ただその三つの灯となる。 中のどれかが、折々|
気紛れの鳥影の映すように、飜然と幕へ附着いては、一同の姿を、種々に描き出す。……....
「赤外線男」より 著者:海野十三
7 その次の朝のことだった。 帆村荘六は早く起き出ると、どうした
気紛れか、洋服箪笥からニッカーと鳥打帽子とを取り出して、ゴルフでもやりそうな扮装....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ど勉強していただきたいわ、あたしが紹介した、その名誉のためにもネ」 「ええ、僕は
気紛れ者で困るんですが、芸の方はしっかりやるつもりですよ」 「頼母しいわ。早くう....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ことを聞いて頂き度いのです。でないと、僕がここへ来て急に結婚に纏まるのが、単なる
気紛れのように当りますから」 彼は、私が大体それを諒解できても、直ぐさま承認出....
「獏鸚」より 著者:海野十三
と私は不図思い出して云ってみた。 「なに手術? そりゃどんな名外科医があって
気紛れにやらないとも限らないが、獏の方は身長二メートル半だし、鸚鵡は大きいもので....
「転機」より 著者:伊藤野枝
て、何にもありませんぜ。」 彼等は一度に顔見合わせて笑った。多分、私達二人が、
気紛れな散歩にでも来たものと思ったのであろう。笑声を後にして歩き出した時、私は、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
きみは、ちっともその方に引っかかりはないのでしたね。」 「ええ、私は風来ものの大
気紛れさ、といううちにも、そうそう。」 中腰の膝へ、両肱をついた、頬杖で。 「....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
くなったが阿Qはまだ到著しなかった。趙家の内の者は皆待ち焦れて、欠伸をして阿Qの
気紛れを恨み、鄒七嫂のぐうたらを怨んだ。趙太太は春の一件があるので来ないかもしれ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
あったんではありますがな、髪を洗って寝首を掻かせた、大時代な活劇でさ。あの棄鉢な
気紛れものと、この姉さんでなくッちゃ、当節では出来ない仕事。また出来されちゃ大変....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
得五分の算盤玉を弾き込んで一と山当てるツモリの商売気が十分あった。その頃どこかの
気紛れの外国人がジオラマの古物を横浜に持って来たのを椿岳は早速買込んで、唯我教信....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
行しそうであったが、好書家ナンテものは蒐集には極めて熱心であっても、展覧会ナゾは
気紛れに思立っても皆ブショウだからその計画も捗取らないでとうとう実現されなかった....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
はなかった。二葉亭の文学方面をのみ知る人は政治を偏重する昔の士族気質から産出した
気紛れのように思うが、決して※んな浮いた泡のような空想ではなかったので、牢乎とし....