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気脈
「気脈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気脈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
出て来なかった。それにもかかわらず彼は自分とこの御婆《おばあ》さんの間に、少しの
気脈も通じていない事に気が付いた。 「ああそうですか、それはどうも」 健三の挨....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
の平生文学上に抱いている意見と、教授の哲学について主張するところの考とが、親しい
気脈を通じて彼此相倚《ひしあいよ》るような心持がしたのを愉快に思ったのである。こ....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
二百人と、新選組百五十人が守備に任じていたが、大場は元来勤王思想があるので薩長と
気脈を通じている容子があるので、近藤勇は憤慨して、十七日に二条を去って伏見に来て....
「運命」より 著者:幸田露伴
属を逮捕せしめ、密に謝貴張※をして、燕府に在りて内応を約せる長史葛誠、指揮盧振と
気脈を通ぜしめ、北平|都指揮張信というものゝ、燕王の信任するところとなるを利し、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ぐる年の八月十七日の政変に、王室回復の志を抱く公卿たち、および尊攘派の志士たちと
気脈を通ずる長州藩が京都より退却を余儀なくされたことを思えば、今日この事のあるの....
「黴」より 著者:徳田秋声
見られる友人が、どんな風にこのことを切り出すか、それが不安でならなかった。深山と
気脈の通じているらしく思えるこの俳友B―に対する軽い反抗心も、腕車に揺られる息苦....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
の労働運動とは、範疇的に別なシステムにぞくする運動だが、併し事実、二つはほぼ同じ
気脈に於て行なわれる。事は単に学生が大体インテリであって知能が自由であるために、....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
ているのを認めないではないが、何処かに浮気な態度があって昔の硯友社や根岸党と同一
気脈を伝うるのを慊らず思ってる。咏嘆したり長※したり冷罵したり苦笑したりするも宜....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
でないことは確かです。 「宇津木氏、その机竜之助とやらは、日頃この天誅組の一味に
気脈を通じていたような形跡がありましたかな」 「いや左様なことはありませぬ、聞け....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を受けて間者の役をつとめたのが斎藤一、御陵衛士隊長の伊東と、薩州の中村半次郎とが
気脈を通じて、近藤勇暗殺の計画が熟していることを斎藤一が探知して、これを近藤に報....
「叔父」より 著者:豊島与志雄
出来たら……と云いかけて、中野さんはそれを呑みこんでしまった。喜代子の顔に真剣な
気脈が動いて、それが美しくぱっと輝いたような気がしたのだった。 中野さんは変に....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
分子も潜在していて、悪いことをしているということも、支那人以外にも会員があって、
気脈を通じているということも、相当詳しく記されてあった。 京師殿と甲斐守....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
、何事が?」 「山岸主税の申しまするには、お館の中に居る女の内通者が、外界の賊と
気脈を通じ、昨夜裏門にて密会し……」 「館の中に居る女の内通者とは?」 「その数....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
旗の暴動を醸したるその余炎未だ収まらず、況んや現に政府の顕官中にも竊に不平士族と
気脈を通じて、蕭牆の辺に乱を企てたる者さえなきに非ず。形勢の急なるは、幕末の時に....
「瘤」より 著者:犬田卯
政×会に属していた彼は、一方県警察部の剣道教師という地位からか、この地方の官憲と
気脈を通じているという噂のために一層「貫禄」が加わった。 したがって彼が県議を....