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「気遣い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気遣いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
良夜」より 著者:饗庭篁村
は詩など寄合書にしたる白金布の蝙蝠傘あるいは杖にしあるいは日を除け、道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来したれ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れるのであって、物質不滅の説から導かれた結論に頼ってさえいれば決して間違いの起る気遣いはないのである。 デカルト、ライブニッツ並びにカントが太陽の徐々に燃え尽....
天守物語」より 著者:泉鏡花
方、一拭い、清めた上で進ぜまいかの。 夫人 (煙管を手に支き、面正しく屹と視て)気遣いには及びません、血だらけなは、なおおいしかろう。 舌長姥 こぼれた羹は、埃....
取舵」より 著者:泉鏡花
海は寂寞として声無し。 甲板の上は一時|頗る喧擾を極めたりき。乗客は各々生命を気遣いしなり。されども渠等は未だ風も荒まず、波も暴れざる当座に慰められて、坐臥行....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ます。 学円 小刀をこれへお遣わし……私が剥きます。――お世話を掛けてはかえって気遣いな。どれどれ……旅の事欠け、不器用ながら、梨の皮ぐらいは、うまく剥きます。....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
福の神が舞い込んだといわなければならぬ。福の神が舞い込んだことは自分にははなはだ気遣いだが、しかし短い人生に読者があるということは、結局愉快なことである。だから....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
かい? 変った素振は見えなかったかい?」といった。 「そんな不名誉な話は無論する気遣いはありませんが、シカシ妙だと思いましたよ、二、三日前に来た時急に国へ帰るっ....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
り者と召捕られて、磔にもなるは必定。そんな危い瀬を渡る為にわざわざ三人で来られる気遣いはなく、まぎれもない正物とは、わしにさえ鑑定が出来るのじゃ」 「やれ、嬉し....
雛妓」より 著者:岡本かの子
うまいということだったぜ」 父の死によって何となく身体に頽勢の見えたわたくしを気遣い逸作は、この料亭のこの座敷でした十八年前の話の趣旨をわたくしの心に蘇らせよ....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
服にエプロンをかけていた。青年はすこしの間でも客の女性を不審の中に置くまいとする気遣いらしく、少しあわて気味の早口で言った。 「先刻は失礼しました。私は此処の給....
」より 著者:岡本かの子
、極々当りまえの世話人根性のようだけれど、その実、気違いの京子と暮す事は何という気遣いな心の痛む事業だろう。それに此頃のように、恥も外聞もなく異性憧憬症にかかっ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
穏当な事務家風であった。しかし、神経質に人の気を兼ねて、好意を無にすまいと極度に気遣いするところは、世俗に臆病な芸術家らしいところがあった。若夫人はわきに添って....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
か思ったが、確かな証拠もなしにそんなことを訴えたところで、とても取り合ってくれる気遣いもないと考えたので、今まで一度も口に出さなかったのであった。 彼は今夜初....
五色蟹」より 著者:岡本綺堂
燈のひかりも陰っている。なにしろ午前二時という頃だから、おそらく誰もはいっている気遣いはないと思って、僕は浴衣をぬいで湯風呂の前へすたすたと歩いて行くと、大きい....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
う。このことについてはなんにも言わないで、僕も挙動を慎んでいれば、彼女に疑われる気遣いはたしかにない。僕はヒンクマン氏が初めに言ったよりも、一日でもいいから遅く....