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気配り
「気配り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気配りの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の大切な母親が、あいにく病気で、さしたる事ではないが、推してそういう場所へ出て、
気配り心扱いをするのは、甚だ予後のために宜しからず、と医家だけに深く注意した処か....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
、なにかの場合に機先を制してそれとなくわたくしの頽勢を支えて呉れるいつもの逸作の
気配りの一つと思い、心で逸作を伏し拝みながら、さすがに気がついて「一郎は」と、息....
「東京へ近づく一時間」より 著者:宮本百合子
現在の境遇に安心してはいられない。落付きの中に不安のこもったそういう一家の主人の
気配りが紺足袋でネクタイをつけた温厚な男の質問の口調に現れているのである。 「あ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ないでしょうか。一番わるいときにも、歩かせてしまったのだから、実際にはおそすぎた
気配りですが。いつも安心するような返事しかなさらないものだから、つい、それでいい....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
かなかったことである。ものものしくどっしり構えたグリゴリイはいっさい自分の仕事や
気配りをいつも一人で考えていたので、マルファ・イグナーチエヴナも、良人が自分の助....
「青春論」より 著者:坂口安吾
迄歩いてきた同じ速度と同じ構えで木刀をぶらさげたまま近づいてくるのである。試合の
気配りがなくただ近づいてくるので清十郎はその不用意に呆れながら見ていると、武蔵の....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
をあたまに描いた。 「それについて、今夜出ましたのですが……。」と、野童は左右へ
気配りするように声をひそめて言い出した。「あなたはなんで冬坡君をお調べになったの....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
しく見えた。お高は、若い鹿《しか》のようにしなやかだった。黒い大きな眼が、興奮と
気配りとで、濡れた碁石のようにつやつやしく光っていた。それは、お高の内側に、何か....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
。さては、鬼が出るか蛇が現われるかと、文次と安は上半身を前へかがめて互いに充分な
気配り。何かは知らぬが、相手しだいではもちろんどんなにでもあばれるつもりだ。 ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
適するようとは、大きくは今日の非常時に適し、小さくは毎日のその時々に適するよう、
気配り、工夫が要るということです。国の財政に赤字が多く、外国為替がとても高価いと....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
った。お綱が蝶のように飛び離れると一緒に、三次、隼人、為なども、腰を立てて凶猛な
気配りになる。 「なるほど、このほうが気合いがのるわえ!」 お十夜の声! 椎の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
「オヤ、お前よく知っておいでじゃないか」 「実は、御新造様……」と屑屋はあたりへ
気配りして、にわかに声を低くした。 「わっしの不馴れな様子でもお分りでしょうが、....