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「気長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
いっとき》と時の移って行くのも知らないように、見物は皆|片唾《かたず》を飲んで、気長に竜の天上を待ちかまえて居るのでございましょう。門の下の人の海は益《ますます....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
もたびたびこういう経験があるので、貼りまぜの金屏風の絵などを眺めながらいつまでも気長に待っていると、浮橋から報《しら》せたと見えて、やがて茶屋の女が来た。栄之丞....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
手取早《てっとりばや》くは受取《うけと》れなかった。 取扱いが如何《いか》にも気長で、 「金額は何ほどですか。差出人は誰でありますか。貴下《あなた》が御当人な....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、松吉は訊《き》いた。 「あの男にばかり任かしちゃあ置かれねえ。おめえも行って気長に張り込んでいろ。俺もいずれ後から行く。元八はいつまた呼ぶかも知れねえから、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のか。いや、無理もねえ。あいつらにはちっと荷が重いからな」 こう思って、半七は気長に待っていると、その夜の四ツ(午後十時)過ぎに多吉が帰って来た。 「よく降り....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら蕎麦を食ってしまって、更にあられ蕎麦を註文した。それを又食ってしまうまで半七は気長に待っていると、小僧は銭を払って出た。 半七もつづいて暖簾を出て、うしろか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
議はそのままにして、亀吉と幸次郎を裏と表に張り込ませて、重兵衛や万次郎の帰るのを気長に待っていました。夏の夜は短いから早く明ける。夜が明ければ、二人は何処からか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「どうでみんなが手古摺っている仕事なんだから、そう手っ取り早くは行かねえ。まあ、気長にやるよりほかはねえ」 民次郎は寅七という子分と手わけをして、江戸中で竹藪....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
玉なしだ。まっ昼間おれ達がどやどや押し掛けて行くのはまずい。まあ、日の暮れるまで気長に待っていて、客の振りをして岩亀へ行って見ようじゃあねえか」 「それがようが....
婦系図」より 著者:泉鏡花
はあるまいが、疾く快うなろうと思いなさる慾で、焦らっしゃるに因ってなおようない、気長に養生さっしゃるが何より薬じゃ。なあ、主、気の持ちように依るぞいの。」 と....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「そうか」と、半七の額にも太い皺が描かれた。「だが、まあ仕方がねえ。もう一日気長に網を張っていてみよう。もう一人の奴がやって来ねえとも限らねえから」 「そう....
春昼」より 著者:泉鏡花
と気張ってくれさっせえで、とうとう七両一|分に替えたのがはじまり。 そちこち、気長に金子にして、やがて船一|艘、古物を買い込んで、海から薪炭の荷を廻し、追々材....
恐竜島」より 著者:海野十三
るので、波は高くない。 一時間――二時間―― 猫が鼠《ねずみ》をまつように、気長く、しかも油断なく、三人は待った。 「おや、へんな匂がしますね」 「うん、恐....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
す」 「おう、ピート一等兵か。お前、やるのか。めずらしいのう」 「いや、さすがに気長のわしも、もうこの部屋の生活には、あきあきしましたので、なにかかわったことを....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
されて、それで現すに不便な言葉がみんな淘汰される時が来なくちゃ歌は死なない。 B気長い事を言うなあ。君は元来|性急な男だったがなあ。 A あまり性急だったお蔭で....