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気魄
「気魄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気魄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
るという意味である。時好に投ずることのみを目的としている作者は別として、少しでも
気魄《きはく》のある作者なら、この危険には存外おちいりやすい。だから馬琴は、この....
「星座」より 著者:有島武郎
輩の惰眠《だみん》を貪《むさぼ》り雌伏《しふく》しおるべき時には候わず明治維新の
気魄は元老とともに老い候えば新進気鋭の徒を待って今後のことは甫《はじ》めてなすべ....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
らにかの地に行くというような、いわば天下を家として随所に青山あるを信ずる北海人の
気魄《きはく》を、双手《もろて》を挙げて讃美する者である。自由と活動と、この二つ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
が、白煙のように飛び去った。それに代って、駐仏日本大使館付武官福士大尉の烈々たる
気魄が蘇って来た。 「おッ、俺は、今まで、何を莫迦な夢を見ていたのだろうなあ!」....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
事に身も魂も打ちこんでいる真剣そのものの姿ではないか。フランク大尉は、その凄じい
気魄にたじたじとなったが、必死にこらえて、 「――五ツ、六ウ、……」 のこるは....
「巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
私が訊いたのは何も背丈けのことばかりではない。西洋人に伍して角逐出来る体力や
気魄に就て探りを入れたのである。 「むすこは巴里の花形画家で、おやじゃ野原のへぼ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
る。現代とても在来の経典を以て満足し、更に一歩を進めて真理の追窮に当ろうとする、
気魄のとぼしき者は多いであろう。それ等に対してわれ等は頓着せぬ。が、過去の示教に....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
やじの態度や考え方にはどこか一般社会の風習や秩序と相いれぬものがあり、しかもその
気魄には実際彼が口でいうとおり実行しかねまじき、あるいはすでに実行してきたような....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ままでの殺人事件なぞ、坑夫達にとってはなんでもない。技師は、燃上る瞳に火のように
気魄をこめて、人々を押えつけながら係長へ云った。 「片盤を開けて下さい。そしても....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
の事を計画したると毫も異なるところなし。小栗は幕末に生れたりといえども、その精神
気魄純然たる当年の三河武士なり。徳川の存する限りは一日にてもその事うるところに忠....
「或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
ありゃ、なんでもないんだよ。恋をするにも真正面に相手にぶつかって真心を打ち付ける
気魄も無くなり、ただふわふわ恋の香りだけに慕い寄る蝶々のような当世男の一人さ。あ....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
ならないことはいうまでもございませんが、一番に必要なのは「信念」というか一つの「
気魄」であろうと私は思っております。どんなものを描きます時も、いえ、描く前の構想....
「広告」より 著者:伊丹万作
以来始めて「俳句」を見た。 もつと遠慮なくいえば芭蕉以後、芭蕉に肉迫せんとする
気魄を見た。 私には詩はわからない。なぜなら私は散文的な人間であるから。 し....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
めただけで、灯点しごろ所長の家へ入った。土田の令兄は、いかにも一山を背負っている
気魄が眉宇の間にもうかがえるといった人だった。私達は薪ストーブの燃えさかる座敷で....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
でありますから、独立後の日本をどうするかという抱負経綸が示され、日本国民に独立の
気魄を吹き込み、民族として立ち上る気力を与えることが、その務めであるにもかかわら....