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水となる
「水となる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水となるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
及んでは千駄ヶ谷、代々木、角筈《つのはず》などの諸村の間を流れて新宿に入り四谷上
水となる。また井頭池《いのかしらいけ》善福池などより流れ出でて神田上水《かんだじ....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
くこの手に酒をくれ! 命、いのち、銀露のようにたばしる! とらえないと青春の火も
水となる。 さあ、早く物にくらんだ目をさませ! 133 酒をのめ、それこそ永....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の水を汲んで大きいうつわに満々とたたえ、そのなかに海井を置けば、潮水は変じて清い
水となる。異国の商人からかねてその話を聞いていたが、わたしも見るのは今が始めで、....
「長崎の印象」より 著者:宮本百合子
った。京都にいた間、また、九州に来てから別府、臼杵などにいた間、塵をしずめる打ち
水となる程度の降雨に会っただけで、ために予定を変えるような目には遭わなかった。日....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
川はだんだん細って行き、森深く縫って行って、谿川になり、それからは泉となり、苔の
水となるだろう。そこまでは僕の目は届かぬ。僕は今夕此処を立たねばならぬ。こんなこ....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
う。競馬馬だって狂奔することがある。潮流だって時には変化する。河水だって時には洪
水となる。」 「それでも構わんと言うのかい。」 「構わんどころか、その方がいいん....
「紫大納言」より 著者:坂口安吾
。そうして、絶望の悲哀にかられた。 喉がかわいて、焼くようだった。ひとしずくの
水となるなら、土もしぼって飲みたかった。彼は夢中に這いだした。そうして、ようやく....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
ルぐらい堆積するから、早くて十年、おそくて二十年ぐらいで川底が堤より高くなって洪
水となる。 だから堤を築くだけではダメのことが分りきっていても、ほかに手段を施....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
、他の季節にもある。黄土層にこのドシャ降りが降りつづくとつもりつもって黄河の大洪
水となるのである。 黄土層というところは木も草も一本ないハゲ山だ。ドシャ降りに....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
ものの滑稽な漫画であった。唯、威儀を正しさえすれば、一頁の漫画が忽ちに、一幅の山
水となるのは当然である。 近藤君の画は枯淡ではない。南画じみた山水の中にも、何....