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水の泡
「水の泡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水の泡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
どこを見ているともつかない眼で、大きさはかれこれ三尺あまりもありましたろう。始は
水の泡のようにふっと出て、それから地の上を少し離れた所へ、漂うごとくぼんやり止り....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
も仕方がないと、おまえにわけもなく断念《あきら》めてもらった日にゃあ、おれが志も
水の泡《あわ》さ、形なしになる。ところで、恋というものは、そんなあさはかなもんじ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
まってできたような銀行の貯金は、その銀行が不景気のあおりを食って破産したために、
水の泡になってしまった。命とかけがえの漁場が、間違った防波堤の設計のために、全然....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
まった。いま一緒に出られては、すぐ監守に見つかってしまう。それでは二ヶ月の苦心も
水の泡だった。――押し戻された二人は、争って覗き穴のところから顔をつきだし、まる....
「海底都市」より 著者:海野十三
ありさま》に、僕はいささかひるみはしたけれど、ここで決心を曲げては万事《ばんじ》
水の泡と思い、こっちも負けずに大声を張りあげた。 「トロ族の人々よ。君たちは悪魔....
「超人間X号」より 著者:海野十三
いるのにちがいあるまい。そんなスパイを生かしてかえしては、せっかくのわしの計画も
水の泡《あわ》だ。研究所の中を隅から隅まで、捜索《そうさく》して、あいつらの居所....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
なアリバイを持つことになる。もっともハンドバグを忘れるようなヘマをやっては何事も
水の泡ですがね」 「どんな方法によって中毒させたか。それはどうなんだね」 と、....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
たのだ。君か私かのどっちかが、どうかなってしまえば、図面が半端になり折角の苦心も
水の泡になったところだ。だがA型人造人間をエッキス光線でしらべて、廻らない二つの....
「火薬船」より 著者:海野十三
こで沈没したのでは、せっかくここまで出かけた平靖号の使命は、それこそ文字どおりの
水の泡となってきえてしまう。虎船長は、無念やる方なく、しばし黙考していたが、しば....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
いる貨物が、明日中にこっちへ到着しないと、せっかく二年間を準備に費した大計画が、
水の泡になってしまうのだ」 少将の声は、気の毒なほど、悄気ていた。一体リント少....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
ように真直に下りてきては、身体の傍をスレスレに通りすぎるのだった。それもやがて、
水の泡沫のように消え去ると、今度は大小さまざまのシャボン玉が、あっちからもこっち....
「空襲警報」より 著者:海野十三
を出すのが、どんなに恐ろしいことか思っても見ろ。貴様の家の火事がわれわれの努力を
水の泡にして、この五反田の町を焼き、帝都を灰にしてしまう。それでも貴様は日本人か....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
のまま夜一夜置いたために、三晩とは措かず盗まれてしまったので、祖父は最後の目的の
水の泡になったのに、落胆して煩い着いたが、滝太郎の舌が廻って、祖父ちゃん祖父ちゃ....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
したのか、 「やっぱりがまんしてつづけよう。ここで投げだしては、いままでの苦心も
水の泡だ。それにしても、こんど、あいつに会ったら、ただではすまさんぞ」 おかみ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
しへ見し人は、二三十人の中に僅に一人二人なり。朝に死し、夕に生まるゝならひ、たゞ
水の泡にぞ似たりける。知らず、生れ死ぬる人、何方より来たりて、何方へか去る。』…....