水を向ける[語句情報] » 水を向ける

「水を向ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水を向けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
腰になってみんなと談判でもしていらっしゃるでしょうよ。見えるようですわね」 と水を向けると、木村は始めて話の領分が自分のほうに移って来たように、顔色をなおしな....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
ゃなるめえぜ」 「姐さんもちっとは浮気をするがいいのさ」 「などと傍《そば》から水を向けるんだからおそろしい。悪党に逢っちゃあ敵《かな》わねえな」 「人聞きの悪....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ていたのに、妙なひとりごとを漏らしながら、ふいと立ち上がりましたものでしたから、水を向けるには向けましたが、案外な気のりのしかたに、かえって伝六があわててしまい....
行人」より 著者:夏目漱石
場合には大変都合が好かった。いったん緒口《いとぐち》さえ見出せば、あとはこっちで水を向ける必要も何もなかった。隠す事を知らない彼女は腹にある事をことごとく話した....
明暗」より 著者:夏目漱石
たこの結果には、津田にとって多少の物足らなさが含まれていた。もちろん津田の方でも水を向ける用意もなかった。そんな暇のないうちに、勝さんはさっさとしゃべるだけしゃ....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ソかホントか、梅毒で片目をつぶしているという中村是公のオヤジさんであった。そこへ水を向けると一も二もなく承知して、「オヤまあ」と思う間もなく、ノコノコサイサイ永....
旅愁」より 著者:横光利一
。視ているものらは息詰る瞬間の切迫さで皆黙った。 「うむ?」 と東野は、誘いの水を向ける無意味な声を出した。 「何んですか。」と久慈も同じく無意味な微笑で訊ね....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
敷《うらやましく》思わないかとか、何とか、ヒョイと軽く戯談《じょうだん》を言って水を向けるのだ。思切って私も一つ言って見ようか知ら……と思ったが、何だか、どうも....
光は影を」より 著者:岸田国士
ゞなにかしたいというだけなら、自分の関係している製粉会社へ入れてもよいのだからと水を向けるのだが、彼は、それだけは真平であつた。 そんなわけで、いわば半分贅沢....
暗号数字」より 著者:海野十三
「なんかその辺で、差支えない話でも出てきそうなものじゃないか」 と僕がすかさず水を向けると、彼は新しい莨に火をつけながら、 「うん、一つだけ話をきかせようかな....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
之丞様、どうしたのだろうね」 「そろそろ日が暮れてまいりますのに、男という者は、水を向けるとこの通り、わざとじらすんでございますよ」 「じらされるのならいいけれ....