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「水場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
追憶」より 著者:芥川竜之介
八 蘭 僕は時々狭い庭を歩き、父の真似をして雑草を抜いた。実際庭は水場だけにいろいろの草を生じやすかった。僕はある時|冬青の木の下に細い一本の草を....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
つ庭のようだが」 と折戸を開けて、 祖「彼の家に隠れて居りはしないか」 と手水場の上草履を履いて庭へ下り、開戸を開け、折戸の許へ佇んで様子を見ますと、本を読....
蒲団」より 著者:田山花袋
に入ろうとした。細君は慌てて、 「貴郎、貴郎、酔っぱらってはいやですよ。そこは手水場ですよ」 突如蒲団を後から引いたので、蒲団は厠の入口で細君の手に残った。時....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
が、暖かいから脱ぎまして、包へ入れて喘々して、 女「少しお頼みでございますがお手水場を拝借致しとうございます」 照「はい其処は汚のうございますが、何ならお上りな....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
は見えない、木の鳥居は、海から吹抜けの風を厭ってか、窪地でたちまち氾濫れるらしい水場のせいか、一条やや広い畝を隔てた、町の裏通りを――横に通った、正面と、撞木に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
装いでした。 お手水《ちょうず》に行くつもりだろうが、途中で戸惑いをして、お手水場とは全く違った方向の廊下を忍びやかに歩いて行くのは、おかしいことです。寝ぼけ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で舟を漕いでいらっしゃる」 「うむ、そうだったか」 「ですけれども、あなた、お手水場が、外のあんな遠いところにあるでしょう」 「うむ」 「わたし、一人で行けやし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さること――観念もして、そこはかと身なりをキリリとしたが、さて出かける前に、お手水場《ちょうずば》へ入って落着いてという気分になりました。 お角さんがお手水場....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
車の蒲団にもたれながら失神したようになっていた。わたしは自分の馬をサンジョリー貯水場のほとりの抜け道へ向けると、文字通りに馬を飛ばした。 「ジャック!」と、彼女....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
側時計を拾うような事があり、又間が悪いと途中で手水が出たくなって、あゝ何所かに手水場があれば好いと思うと、幸い三疋立ちの雪隠があるから入ろうとすると、皆な咳払い....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
、責めて布川から布佐への本利根の渡しだけは、明るい間に越して置きたい」 「此辺は水場で、沼とか、川とか、堀割とか、どちらへ行っても水地ばかり、本利根へ掛る前に、....
日和下駄」より 著者:永井荷風
この谷底の貧民窟は、堀割と肥料船《こえぶね》と製造場《せいぞうば》とを背景にする水場《みずば》の貧家に対照して、坂と崖と樹木とを背景にする山の手の貧家の景色を代....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
の夜に行われたとある。すなわち所謂竹切の会式で、まず十六日に護法善神社に参拝し、水場注連縄張の事、加持作法の事を行い、十八日に竹釣の行事がある。東が近江方、西が....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
て往くと、菓子屋だの蕎麦屋だの種々なものがあるから、其の間を這入って、突当りが手水場だから、其の傍の井戸へ附いて左へ曲って、右へ往って変な処をクル/\廻った角で....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ありました。便所という名が不潔だから、改めたのだとの事であります。便所と云い、手水場と云い、雪隠と云い、はばかりと云う名には、少しも不潔な意味はありません。もと....